
局部腐食の理解と正しい対応のための
局部腐食,応力腐食割れのメカニズムと事例および防止技術
局部腐食、応力腐食割れのメカニズムと事例および対策を解説する特別セミナー!!
- 講師
株式会社アイテック 腐食防食コンサルタント 工学博士 明石 正恒先生
元石川島播磨重工業株式会社 基礎技術研究所 専門部長
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:47,250円 同時複数人数お申込みの場合1名:42,000円
- テキスト
受講概要
必要な基礎知識
大学教養課程程度の基本的な工学知識
受講後の修得知識
局部腐食,応力腐食割れに関する基本的考え方と方法論の基礎の習得および今後の勉強への方向づけ 1)局部腐食のメカニズムと対策 2)応力腐食割れのメカニズム
講師の言葉
通常供用されている装置,機器,部品の大部分が遭遇することになる金属材料の腐食損傷に対する適切な 対応はきわめて重要で,腐食防食技術は工業社会を支える基盤技術です. しかしながら,実際の装置材料が実環境で遭遇し得る腐食現象は大変多様で,数多くの影響因子が絡み 合った複雑系です.それに的確に対応するためには,実験データや実環境経験データをただ漫然と積み上げた データベースがいくら身近にあっても,それだけでは何の役にも立ちません.必要な基礎的素養を地道に勉強 して,正しい考え方,方法論を身に付けていただかなければなりません.過去の高度成長時代には,腐食損傷に 対して,短期間に事例に近いと思われるデータを探し,先人の経験を聞きあさり,その場限りの対応をする, ということで何とか済ませてきた,あるいはそうせざるを得なかった,という歴史的経験がありました. しかしながら,そういう時代は確実に終わり,正しい考え方,方法論が問われる時代になっています. とくに,昨今の工業プラントにおける重要事故多発への対応と,合理的な検査/保全技術の高度化を目的として, 「リスクベース保全」の適用が検討されています.このためには腐食損傷発生確率の定量的評価が不可欠です. しかしながら,均一(全面)腐食はともかくとして,局部腐食あるいは応力腐食割れに関しては,損傷発生確率 と供用期間との関係を定量的にモデル化する方法論の発展とその成果の公共的受容が不十分で,これが リスクベース保全技術適用上の大きな問題点になっています. 本講座では,孔食,すきま腐食,応力腐食割れ等の局部腐食現象を対象として,必要最小限の腐食 電気化学の基礎,局部腐食現象の理解と対応のための考え方,方法論を勉強していただき,局部腐食および 応力腐食割れ現象への正しい対応を身に付けていただけることを目指すとともに,リスクベース保全技術の 正しい適用の前提となる「局部腐食/応力腐食割れ発生確率」の定量的評価に臨む技術開発の現状を ご紹介します.
プログラム
1.腐食電気化学の基礎
1.腐食反応とその速度 2.不働態
2.ステンレス鋼とTi 合金
3.局部腐食
1.考え方,方法論 2.ステンレス鋼の微生物腐食 3.残留塩素/オゾンの影響と対応の考え方 4.局部腐食事例と対策 a.ステンレス鋼/海水系における微生物腐食進展 b.ステンレス鋼/淡水系の局部腐食
4.応力腐食割れ
1.考え方,方法論 2.ステンレス鋼の鋭敏化と粒界応力腐食割れ 3.ステンレス鋼の湿潤大気応力腐食割れ
5.炭素鋼の不働態化と局部腐食
1.自然淡水の溶液化学 2.活性態における均一腐食進展 3.活性態/不働態遷移 4.局部腐食
6.トピックス
1.局部腐食/応力腐食割れ寿命評価 2.実環境における寿命解析事例 3.L-grade ステンレス鋼の意義と実用性
講師紹介
略歴: 1967 年3 月 東京大学工学部冶金学科卒業 1969 年1 月~2002 年6 月 石川島播磨重工業株式会社基盤技術研究所勤務 ステンレス鋼を中心とした耐食金属材料の局部腐食および応力腐食割れの研究に従事 1985 年3 月 工学博士(東京大学) 2002 年7 月~現在 腐食防食コンサルタントとして株式会社アイテックに所属 表彰: 1999 年 腐食防食協会 技術賞 2004 年 NACE International Technical Achievement Award 所属学協会: 腐食防食協会 腐食センター運営委員会他数多くの委員会/分科会で活動 ステンレス協会 腐食試験法JIS/ISO 委員会委員 日本材料学会 腐食部門委員会委員 NACE International 原子力材料委員会委員