
電子機器の信頼性確保上、最重要課題の一つである
Snウィスカーの各種成長要因と成長メカニズム
ウイスカについて重要な特徴や成長に影響を及ぼす要因、
成長の駆動力や起源を解説する特別セミナー!!
- 講師
石原薬品株式会社 第二研究部 主席研究員 辻 清貴先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:38,850円 同時複数人数お申込みの場合1名:34,650円
- テキスト
受講概要
予備知識
特になし
受講後の修得知識
1)ウィスカーの特徴 2)ウィスカー成長に影響をおよぼす要因 3)ウィスカーの成長メカニズム
講師の言葉
1940年代初頭において通信機器のトラブルが多発し,その原因がCdめっきから成長した針状のウィスカーに よる短絡だと判明してから,ウィスカーの問題が広く知られるようになった。 1950年代には,Snめっきをはじめ,Znめっきからもウィスカーが発生することが知られるようになった 。 しかし,Pbを3~10%含むSn-Pb合金めっきからはウィスカーが成長しないことが示され,その後今日にいたる まで,電子部品の表面処理として同めっきが多く採用されてきた。 ところが,最近ではEUにおけるRoHS規制などにみられるように,電子機器から鉛を排除する動きが拡がる 中で,ウィスカーの問題が,半世紀以上を経て再び注目されるようになってきている。この問題については, 多くの研究がなされてきたが,今のところウィスカー成長機構について,完全に理解されるには至っていない。 しかし,ウィスカー対策は電子機器の信頼性を確保する上で,最も重要な課題の一つであり,その成長 機構の 解明が急務となっている。 今日では、すずめっき皮膜からは、自然に成長するウィスカー以外に、外部応力や熱サイクリングなどに 誘発されてウィスカーが成長することが知られている。 本講では、これら様々な環境下で成長するウィスカーについて、重要な特徴や,成長に影響を及ぼす要因に ついてまとめる。また、これまでに提案されているウィスカー成長のモデルを概観し,それらの問題点について 考えていくとともに、ウィスカー成長の駆動力やその起源について考察を進める。
プログラム
1.ウィスカーの特徴
1)形態及び強度 2)結晶学的な成長方向 3)成長速度 4)ウィスカー成長における表面エネルギーの役割
2.ウィスカー成長に影響を及ぼす要因
1)外部応力の影響 2)内部応力の影響 3)金属間化合物の影響 4)熱サイクリングの影響 5)皮膜構造の影響 (1)光沢Sn (2)無光沢Sn
3.従来のウィスカーの成長モデル
1)転位モデル 2)金属間化合物-圧縮応力モデル 3)Leeのモデル 4)再結晶モデル
4.ウィスカー成長の駆動力とその起源
1)駆動力の推定 2)粒界エネルギー及び歪エネルギーの駆動力への寄与 3)ウィスカー成長のモデル