
医学・薬学・農学・生物学・食品化学・化学工業等の分野で利用されているNMR!!
初中級者のためのNMRの測定法、解析法の原理と実際
NMRの基本的な原理および実際的な実験法と解析法を解説する特別セミナー!!
- 講師
大阪大学 蛋白質研究所 構造生物学研究部門 准教授 理学博士 藤原 敏道先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:47,250円 同時複数人数お申込みの場合1名:42,000円
- テキスト
受講概要
受講に当たっての必要な予備知識
大学初年程度の化学についての知識
受講後の修得知識
1)パルス・フーリエ変換NMR実験について、操作の意味を理解して試料ごとに測定条件を最適化できる。 2)スペクトルを解析するための知識を得られる。 3)進んだNMR法で得られる情報を理解する。
講師の言葉
核磁気共鳴(NMR)は、化学構造の解析から化合物を同定する高分解能な機器分析法として知られ、 特に、有機物の構造解析にはなくてはならない手段である。 また、近年は、化学構造の解析だけでなく、複雑な生体物質の立体構造の決定、非結晶固体状態の材料や 化合物の構造解析でも重要な役割を演じており、生物学、医学、薬学、農学・食品化学、化学工業などの分野 でもよく使われるようになっている。 このセミナーでは、NMRの基本的な原理を簡単に解説して、実際的な実験法と解析法を説明する。このことを 通じて、受講者は実験が密接に関連しているNMRの原理についても理解を深め、応用力を高めることができる。 NMR測定では、コヒーレントなラジオ波を組み合わせて使用して化学シフトやJ結合などを制御して、2次元 NMR法などで高い分解能で分子構造情報を得ることができる。得られた結果をフーリエ変換などコンピュータで 解析することによって初めてスペクトルを得ることができる。このようなNMR測定で感度と分解能よく必要な 情報を得るためには、NMRとその実験法の原理に戻って適切な測定法と実験パラメータを選ぶ必要がある。 また、測定したスペクトルから必要な情報を得るためにも、そのような知識は重要である。
プログラム
核磁気共鳴法(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)
1. 原理 1)核種 2)熱平衡分布 2. NMRの基本的な相互作用 1)化学シフト 化学シフトの等方性と異方性 2)Jスピン結合 スピン解析とハミルトニアン 3)双極子相互作用(異方的な相互作用) 3. 磁化ベクトル・モデル 1)ブロッホ方程式 2)パルス・フーリエ変換NMR 4. NMRのハードとソフト 1)分光計およびマグネット 2)試料調製 3)ロックと磁場補正 4)シグナルの検出とその処理 a)デジタル・フーリエ変換 b)フィルター関数 c)アーティファクトの除去 5. 磁気緩和 1)緩和を誘起する相互作用 2)ブラウン運動 3)縦緩和と横緩和時間 4)核オーバーハウザー効果 6. 化学交換 線形と分子運動 7. 多次元NMRによる生体分子の全構造解析 1)シグナルの同定 2)構造情報の収集 3)同位体標識と試料調製 4)データ解析: 制約付き分子動力学法 8. 固体NMR 1)固体中での相互作用 パウダー・パターン 2)高分解能固体NMRによる構造解析法(CPMAS) 3)距離決定法、二面角決定法 4)四極子核の測定法 9. MRI (Magnetic Resonance Imaging)原理
講師紹介
1980年 3月 大阪大学 理学部 化学科 卒業 1985年 3月 大阪大学大学院 理学研究科 無機及び物理化学専攻 博士後期課程修了 1985年 4月 日本電子株式会社に入社 生体計測学研究室に配属 1992年 4月 横浜国立大学 工学部 物質工学科 講師、その後、助教授 2000年 12月 大阪大学 蛋白質研究所 助教授、その後、准教授 日本生物物理学会会員 日本化学会会員 代議員、 2004年~現在 日本蛋白質科学学会会員 日本核磁気共鳴学会会員 評議員、2003年11月~現在 International Society of Magnetic Resonance 会員 (ISMAR) PDBj, BMRB(生体系NMRデータベース)グループの代表者、2007年4月より 研究テーマ 固体NMR測定法 生体物質の固体NMRによる構造解析 高磁場動的核分極によるNMRの超高感度化