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「高分子の力学」の著者が直接語る「深堀のラバーゼミナール」
学問的にも実務的にも極めて重要な意味を持っている

ゴムの寿命予測とゴム製品の信頼性向上対策

ゴム製品の寿命を支配する疲労と劣化の発現メカニズムおよび
                              寿命予測方法を解説する特別セミナー!!

希望者に限り短時間個別質問に対応(17:00~17:30)

講師

ロンドン大学 クイーンメリーカレッジ 客員教授  工学博士(Phd) 深堀 美英先生

日時
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内

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受講料
1名:47,250円 同時複数人数お申込みの場合1名:42,000円
テキスト

受講概要

予備知識

特に必要なし

修得知識

ゴムやゴム製品特有の寿命の考え方、寿命予測のやり方を習得する

講師の言葉

ゴムやゴム製品にとって『製品寿命と信頼性』は最も重要な設計事項の1つである。
なぜなら、免震ゴムのような構造部品を初め、タイヤ、ベルト、ホース、防振ゴム、防舷材など多くのゴム製品
では、その故障や寿命はそれらを部品とする製品全体の機能に重大な影響を与えるからである。
例えば、免震ゴムの故障は免震建築全体の機能を損ない、タイヤの故障は自動車の安全を損なうからである。
従って、ゴムやゴム製品の寿命を前もって予測しその対応策を施すことは、学問的にも工業上も極めて重要な
意味を持っている。
  本セミナーでは、まず製品の寿命を支配する2大因子(疲労と劣化)の発現メカニズムを詳しく説明する。
続いて、免震ゴムを初めとする特定ゴム製品の寿命をどのように予測するかを多くの実例を用いて説明したい。
受講者には、これらの実例を参考にして、各自が抱える寿命問題の対策に取り組んでいただきたいと願っている。

プログラム

Ⅰ.予測技術の実態
  ①地震予測、人間の寿命予測
  ②地球温暖化予測の難しさと精度
    ③求められる寿命予測の精度は製品によって異なる
    ④寿命予測は平均値(確率論)であり、個別値ではない
Ⅱ.ゴムの寿命と予測の考え方
(1)ゴムの経年変化はなぜ起こるか
    ①ゴムの寿命を決める因子
    ②ゴムの寿命予測システム(疲労と劣化の体系化)
    ③寿命予測に必要な物性論、数値解析

(2)寿命予測における統計論の必要性
  ①寿命における正規分布型と指数分布型の違い
  ②ワイブル分布が教えてくれる情報
Ⅲ.力学的負荷が寿命に与える影響
(1)静的、動的負荷による破壊特性低下(疲労)
  ①クラックの発生と成長
  ②疲労促進試験とS―N曲線の取り扱い
  ③マイナー則(重複被害)の重要性と適用限界

(2)材料力学から破壊力学へ
    ①Griffith理論および破壊力学の概念
    ②S-N曲線とクラック成長(dc/dn)の密接な関係
    ③S―N曲線の重ね合わせ
Ⅳ.環境負荷が寿命に与える影響
(1)環境因子による破壊特性低下(劣化)
  ①酸素による分子鎖の切断と架橋
  ②ゴムの厚さと酸素の透過性
  ③オゾン、紫外線、温度(気温)による劣化
  ④化学反応速度論による劣化の取り扱い

(2)劣化促進試験とアレニウスプロットの重要性
    ①活性化エネルギーの物理的意味付け
    ②アレニウスプロットとは何か
    ③アレニウスプロットの取扱注意点

(3)力学的負荷と環境負荷の複合効果による寿命低下
  ①力学的負荷が加わると劣化は大幅に進む
  ②加熱により疲労が進むとは限らない
    ③力学的負荷による活性化エネルギーの低下

(4)接着界面の信頼性と耐久性
  ①ゴム―金属接着のメカニズム
  ②接着層劣化の要因
  ③接着強度の最適評価法
Ⅴ.免震ゴムの60年寿命予測実例
(1)免震ゴムにおける寿命予測の重要性
    ①地震被害と免震ゴムの働き
    ②免震ゴムの寿命予測に取り組んだいきさつ
    ③力学的負荷による60年経年変化
    ④環境負荷による60年経年変化
    ⑤免震ゴムの寿命予測システム

(2)免震ゴムの寿命予測を可能にした要素技術
  ①大変形FEMによる免震ゴムの応力解析
  ②免震ゴム各部の劣化解析
    ③免震ゴムの圧縮クリープ解析

(3)10~20年使用後の実測値と寿命予測の比較
  ①環境劣化の予測精度
  ②圧縮クリープの予測精度
Ⅵ.ゴムとゴム製品の耐久性と寿命予測実例
  ①空中と海水中でのゴムの劣化
  ②水道水中の残留塩素によるゴムの劣化
  ③自動車用ゴムホースの経年変化
  ④自動車用エンジンマウントの経年変化
  ⑤ゴムパッキンのシール寿命
  ⑥橋梁用ゴム支承の17年経年変化
Ⅴ.質疑応答

講師紹介

1)専門
   高分子物性、高分子材料、免震
2)所属学会
   日本ゴム協会、日本建築学会
3)書籍
①著書・・・"設計のための高分子の力学"、技報堂(2000)
②共著・・・(a)"Fractography of Rubbery Materials", Elsevier Applied Science (1991)
       (b)"エラストマー系複合材料を知る辞典"、アグネ承風社(1988)

「高分子の力学」の著者が直接語る‘深堀のラバーゼミナール‘

11月14日  ゴムの基本的な分子特性とそれを生かす振動防止対策 (防振、免震、制御)