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重大なトラブルに至る前に現れる表面の兆候を捉えるための

摩擦表面分析技術とトラブル対策

摩擦表面からの情報を捉え、トラブルに対処する知識を解説する特別セミナー!!

講師

前 豊田工業大学教授 理学博士  本多 文洋先生

日時
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内

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受講料
1名:47,250円 同時複数人数お申込みの場合1名:42,000円
テキスト

受講概要

予備知識

特になし

受講後の修得知識

摩擦面の観察に多用される分析手段のもたらす情報の性質と限界

講師の言葉

  摩擦現象は物性ではないとしばしば言われる。摩擦条件で大きく変わる事がその根拠にある。
たとえば同じ試料を別な部局が試験すると必ずしも同じ摩擦特性との評価にならない。原因のひとつは表面分析の
情報が乏しいことにある。凹凸、硬さが支配的要因であることは確かであるが、表面分析がともすると軽視されて
きたがために、表面組成に関するデータの蓄積が乏しい。表面の原子は材料内部と全く異なる組成となっていて、
雰囲気の気体、油中添加剤、相手材料と複雑に化学反応をし、摩擦によって著しく加速される。 
わずかに使用条件が異なるか、新たな材料を用いると表面構造が変化し、したがって摩擦特性に反映される。
 分析機器は今や広く普及してきた。使いやすく作られているが、それぞれの分析法が示す精度と情報の内容と
限界を知ることは、必ずしも容易ではない。 これら機器を如何に使いこなし、情報を蓄積しトラブルに対処するか、
基礎的な知識を解説する。
事象例を出来る限りしめし、重大なトラブルに到る前に現れる表面の兆候を分析で捉えることは大きな目標の一つ
である。

プログラム

1.序論 摩擦と表面とのかかわり
  1.1摩擦力の発生する源
   摩擦係数は表面評価基準として十分か
  1.2表面組成と摩擦力
  1.3凝着力と中間層形成
2.表面と摩擦現象とのかかわり
 2.1 摩擦に関わる表面層の厚さ
 2.2 最表面元素の役割
 2.3 摩擦が表面層を変える現象
3.固体摩擦面に残る証拠の数々
 3.1 固体潤滑の潤滑面
 3.2 油中潤滑添加剤の表面吸着
 3.3 気体分子の吸着面:単分子層の摩擦
4.表面の何を知りたいか
 4.1 元素組成と化学的状態の識別
 4.2 化合物の形と摩擦特性
5.摩擦表面の何処を観察したいか
 5.1 観察手段の選択基準
    観たい深さ、面積、体積
6.表面分析技術の手段 基礎的情報の特徴
  6.1 SEM/EDX 情報の特徴
  6.2 XPS/AES 結果の解釈と留意点
  6.3 FTIR/Raman散乱
  6.4 EPM/AFM ミクロの情報
  6.5 その他の分析手段
7.低摩擦への挑戦、超潤滑への道
  7.1 低摩擦化の条件、事象例
  7.2 理想的表面設計への夢

講師紹介

 1941年 愛知県生。
 名古屋大学大学院修了後東北大学金属材料研究所にて、金属表面の機器分析、状態分析の研究に従事。
University of Houston客員研究員、豊田工業大学助教授、教授を経て2007年退職。 
トライボロジー学会、表面科学会にて表面分析の情報と摩擦特性との関係、ミクロの情報とマクロの摩擦特性の
関連を目指している。

 トライボロジー学会評議員、表面科学会東海支部役員