
ねじ部品の破壊やゆるみによるトラブル解決のための
ねじ締結の信頼性技術とトラブル対策
ねじ部品の品質、部品間の相互作用およびねじシステムとしての特性の視点から
ねじ締結の信頼性を解説する特別セミナー!!
- 講師
名古屋工業大学 大学院機能工学専攻 助教授 工学博士 萩原 正弥先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:47,250円 同時複数人数お申込みの場合1名:42,000円
- テキスト
受講概要
必要な予備知識
力学(材料力学)に関する初歩的な知識を有していることが望ましい。
受講後の修得知識
(1)ねじ締結体の特性 (2)ねじに関する規格の内容,目的及び背景 (3)ねじ締結体設計の要点 (4)代表的なトラブル対策
講師の言葉
ねじ締結は,古くから,機械や設備,構造物において,部品や部材を結合するための方法として広く用いられて いますが,ねじ部品の破壊やゆるみによるトラブルは一向に後を絶たず,時折,大きな事故が起こってしまいます。 新聞やニュースを見ると,その都度,“部品の強度不足”,“ゆるみ”,“締付け不良”などの原因が指摘されて いますが,このような教訓が後に生かされない本当の理由は「ねじ締結の特性」に関する基本的な知識の不足 にあります。 ねじ締結された構造物またはその一部を“ねじ締結体”と呼びます。これは,おねじ部品,めねじ部品及び 被締結部材がその構成要素となった“システム”であり,各要素は,互いに複雑に影響を及ぼし合います。 また,システム全体の性能は,締付けに依存します。したがって,ねじ締結の信頼性を確保するためには, (1)システムの構成要素である個々の部品の品質, (2)部品間の相互作用, (3)システムとしての特性 に関する十分な知識が必要となります。 このセミナーでは,ねじ締結体を一つのシステムと捉え,上述の3種類の視点から,それぞれの要点を明らかに するとともに,関連する最新の技術動向について紹介します。
プログラム
1. ねじ締結のなりたち
1.1 ねじ締結の目的 1.2 ねじ締結の機能と必要条件 1.3 ねじ締結トラブルの体系 1.4 “ねじ”研究の体系 1.5 “ねじ”標準化の体系
2. ねじ締結の基礎
2.1 ねじ締結体設計の基本原理 2.2 ねじ締結体の負荷特性 2.3 ねじ締結体の締付け特性 2.3.1ねじ締付けの原理 2.3.2締付け方法と影響因子
3. 締結用ねじ部品の品質保証
3.1 おねじ部品の品質保証システム 3.1.1 要求事項と試験方法 3.1.2 ISO 898-1の改正動向 3.2 めねじ部品の品質保証システム 3.2.1 要求事項と試験方法 3.2.2 ISO 2320の改正動向
4. ボルト・ナットの組合せに対する品質保証
4.1 静的強度に対する品質保証 4.1.1 代表的な破壊モード 4.1.2 破壊モードを考慮した設計の手順 4.1.3 ISO 898-2及びISO 898-6の改正動向 4.2 疲労強度 4.2.1 疲労強度に関する仮説 4.2.2 疲労試験とその留意点
5. ねじ締結体に対する品質保証
5.1 ボルトに作用する負荷の推定方法 5.2 締付け特性値の管理方法
6. ねじ締結トラブルの傾向と対策
6.1 ボルトの疲労破壊の防止 6.2 ねじのゆるみ防止 6.3 ねじ山のせん断破壊の防止
講師紹介
1980年3月 東京工業大学大学院総合理工学研究科精密機械システム専攻修士課程修了 1980年4月 東京工業大学助手(精密工学研究所) 1987年6月 名古屋工業大学助手(工学部) 1990年10月 名古屋工業大学助教授(現在に至る) 日本ねじ研究協会・ISO/TC2国内委員会委員 日本ねじ研究協会・JIS原案作成委員会委員 ISO/TC2関係国際会議 日本代表エキスパート 日本工業標準調査会・機械要素技術専門委員会委員 ASTM・F16(締結用部品)委員会委員 日本機械学会・機素潤滑設計部門機械要素1技術企画委員会委員長 日本設備管理学会・副会長,東海支部長