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製造現場に予想外の弊害が生じている

鉛フリーはんだの信頼性と実装上のトラブル対策

鉛フリーはんだの実装技術を中心に新規材料を用いた表面とはんだの相性、
温度処理の問題などを解説する特別セミナー!!

講師

株式会社 河野エムイー研究所
 
        代表取締役     河野  英一 先生

日時
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内

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受講料
1名:47,250円 同時複数人数お申込みの場合1名:42,000円
テキスト

受講概要

予備知識

特に専門的知識は不要

修得知識

1)鉛フリーはんだ技術の実情の理解

2)鉛フリー化にあたっての諸問題に関する解決策の理解

講師の言葉

   EUにおけるWEEE/RoHS指令の施行を目前に、エレクトロニクス機器の製造に携わる企業では、同指令の規制を
受ける「環境有害物質」を自社製品から排除するための研究開発が急ピッチで進められている。規制物質の
一つである「鉛」は、熱融着によるすぐれた接合材料として長い歴史を持つ。熱した「はんだごて」の先に鉛を
溶かして物と物をくっつける「はんだ付け」の方法は、工作技術のもっとも初歩として、日常生活の中でもごく普通に
用いられてきた。その「鉛」が排除されるということは、これまで用いられてきた「はんだ」材料の組成をはじめ、
接合用の器具、設備までも変更、刷新を余儀なくされることを意味する。
   新たなはんだの組成については、JEITA等によって標準物質が定められ、大手セットメーカー等の中には、
すでに「鉛フリー」はんだへの切り替えを完了した、とするところもある。

  しかし、現実にはいまだ多くの技術課題が残されていると言ってよい。従来技術に劣らぬ接合能力を実現
しなければならないことはもとより、鉛以外の材料を用いることによって、金属の物性に起因する予想外の弊害
なども製造現場で生じている。実際、大手セットメーカーに部品や部材を納める中小の製造業者にとっては、
規制物質排除が取引条件の一つとなるため、事態はより深刻である。
   微細化、多層化の一途をたどるエレクトロニクス基板の実装技術では、現時点で代替技術の開発が困難と
予想される部分については、RoHS規制の対象外とされている。ただし、今後の技術開発の動向によっては、
充分に適用の対象となる可能性がある。従って、現実に先行した技術の開発が今から求められることも間違いない。

  本セミナーは特に鉛フリーはんだの実装技術を中心とし、新しいマイクロソルダリングの技術について、
基礎・実用の両面から学習することができる構成とした。はんだのみならず、実装基板の表面処理全般に
上述の「規制物質」が関わってくるため、新規材料を用いた表面とはんだの相性、温度処理の問題など、
実学的な内容について、詳しく解説する。開発の場面で直面した諸問題などについて、実際的な内容を含む講義を取り入れる。

プログラム

1.鉛フリーはんだの基礎となるマイクロソルダリング技術
  1.1 基礎知識
   1)ソルダリングの原理
   2)加熱
   3)濡れ
   4)溶解拡散
 1.2 材料
   1)ソルダ
   2)フラックス
   3)ペースト
 1.3プロセス
   1)リフロープロセス
   2)フロープロセス
   3)製造不良
   4)リフロー製造不良
   5)チップ立ち
   6)未はんだ
   7)ブリッジ
   8)はんだボール
   9)フロー製造不良
   10)ブリッジ
   11)穴あき
  1.4信頼性
   1)ソルダリングプロセスと信頼性
   2)信頼性設計
   3)Sn-Pbはんだの機械的特長
   4)長期信頼性上の主な故障
   5)加速試験
   6)寿命予測
2.鉛フリーはんだの現状と課題
 2.1 Sn-Pbはんだと鉛フリーはんだ
   1)鉛の有害性とヨーロッパの規制
   2)鉛フリーはんだの必要条件
  2.2 鉛フリーはんだの特徴と課題
   1)Sn-Ag
   2)Sn-Cu
   3)Sn-Zn
   4)標準化動向
   5)特許問題
 2.3 Sn-Ag-Cuリフローソルダリングの現状と課題
   1)ペーストの特徴
       2)高融点対策
       3)Sn-Ag-Inはんだ
       4)Sn-Zn-Biはんだ
 2.4 Sn-Ag-Cuフローソルダリングの現状と課題
       1)ぬれ不良
       2)引け巣
       3)はんだ槽管理
       4)リフトオフ
       5)リフロー/フロー複合プロセス
       6)Sn-Cuはんだ
 2.5 マニュアルソルダリング
 2.6その他
    ウィスカ

講師紹介

1974年    東京大学大学院 工学系 精密機械工学 修士卒
1974年4月  日本電気株式会社に入社  現生産技術研究所の所属
         (1982年主任、1987年課長、1989年部長、1998年主管技師長)
2002年3月  退社
2002年4月 株式会社河野エムイー研究所設立 代表取締役に就任
  
研究経歴
1974年~ 日本電気株式会社でレーザー応用技術の研究開発に従事
1982年~ 英国クランフィールド工科大学で超精密機械の研究に従事(1.3年)
1983年~ 日本電気株式会社で超精密機械の研究に従事
1989年~ 同社でマイクロソルダリング、鉛フリーはんだの研究に従事

学会業界団体での主な活動
日本電子工業振興協会JEIDA 鉛フリーはんだ研究会幹事(1996-1998)
NEDO(通産省)鉛フリーはんだ開発プロジェクト幹事(1998-2001)
溶接学会理事(2000-2002)、マイクロ接合研究委員会幹事(1990-2002)
日本溶接協会マイクロソルダリング教育委員会委員 (現在)

マイクロソルダリング関係学会発表論文多数