
基本的機能の他に抗菌作用、発色作用、カプセル機能等を兼ねた事例が多数報告されている
界面活性剤の機能の創製と評価技術ノウハウ
界面活性剤の機能の創製を
最新の知見を踏まえ事例を含めて基礎から応用まで解説する特別セミナー!
- 講師
神奈川大学 工学部化学教室 理学博士 堀内 照夫先生
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:47,250円 同時複数人数お申込みの場合1名:42,000円
- テキスト
受講概要
予備知識
特になし
修得知識
(1) 界面活性剤の物理化学的性質
(2) 機能性界面活性剤の開発動向
(3) 界面活性剤および複合界面活性剤の機能
(4) 水溶性高分子/界面活性剤の相互作用(増粘効果など)
講師の言葉
界面活性剤は一分子中に性質の異なる親水性部位と疎水性部位を兼ね備えた両親媒性化合物である。この界面活性剤は1)吸着並びに2)自己組織化というユニークな特性を有し、乳化、可溶化、洗浄、分散、湿潤、柔軟並びに薬物担体等の様々な機能発現に重要な役割を果たしている。
現在の消費社会における顧客の生活観は過去の「物質的豊かさの追求」から「心の豊かさへの追及」へとパラダイムが変化し、消費者の「製品」に対する購買動機も「機能」、「価格」といった単なる「cost/performance」の視点から「利便性」、「快適性」、「ファッション性」へと推移しているように思える。この様な時代的な背景のもとに、消費財の中で、トイレタリー製剤に注目した場合、製剤設計の基本構想として、「基本機能」+「α機能」を有するようなシーズがあれば都合がよい。
界面活性剤の分野に限っても、界面活性剤水溶液の基本的機能(表面張力低下作用、乳化作用、可溶化作用、分散作用等)のほかに、抗菌作用、発色作用、カプセル機能等を兼ねた事例が多数報告されている。
本講義においては、界面活性剤の機能の創製を下記の観点から最新の知見も踏まえて、いくつかの事例を解説することにした。
1. 機能性界面活性剤の技術開発
2. 既知複合界面活性剤による新機能の創製(相乗効果)
3. 特定な相構造の利用(ベシクル並びに高分子ベシクル)
4. 界面活性剤の新機能創出への兆戦(棒状ミセルによる「流れ」の制御)
5. 界面活性剤/水溶性高分子の相互作用
界面化学に従事している研究者・技術者のみならず、界面化学を専門としない最前線での技術者にとっても有益な指針が得られように基礎から応用まで講義する。
講師紹介
所属学会:日本化学会、コロイドおよび界面化学部会、日本油化学会(界面化学部会幹事)
プログラム
1. 機能性界面活性剤の技術開発
1.1 疎水基による界面活性剤の機能化
1.1.1 油性成分固定化界面活性剤(金属石けん) 1.1.2 天然系カチオン界面活性剤 (1) ラノリン脂肪酸四級塩誘導体 (2) ひまし油四級塩誘導体 (3) ホホバ油四級塩誘導体 1.1.3 酸化防止性界面活性剤(トコフェロール誘導体) 1.1.4 重合性界面活性剤 (1) 高分子ベシク基剤 (2) 高分子乳化剤 1.1.5 ハイブリッド型界面活性剤 1.1.6 有機ケイ素系界面活性剤 1.1.7 抗菌性固定化界面活性剤 1.1.8 フッ素系界面活性剤 1.1.9 有機遷移金属系界面活性剤(酸化還元電位応答型)
1.2 親水基による界面活性剤の機能化
1.2.1 バイオサーファクタント 1.2.2 筒状アニオン界面活性剤(シクロデキストリン誘導体) 1.2.3 糖質系界面活性剤 1.2.4 半極性有機ホウ素系界面活性剤 1.2.5 ペプチド系界面活性剤誘導体
1.3 親水基および疎水基による界面活性剤の機能化
1.3.1 ブロック・コポリマー型非イオン界面活性剤 1.3.2 多鎖・多親水性型界面活性剤