溶解度パラメータを理解し活用するための
溶解度パラメータ(SP値、HSP値)の基礎応用Hansen溶解球法の活用のための応用ノウハウ最前線
【WEB受講(Zoomセミナー)

溶解度パラメータ(SP値・HSP値)の基礎,測定・計算方法,計算プログラムツールの
使用方法,用途の実例,活用法について,豊富な実例をもとに分かりやすく
解説する特別セミナー!
講師
関西大学 環境都市工学部 エネルギー環境工学科 教授 山本 秀樹 先生
日時
2020/11/4(水)10:00〜16:30
会場

本セミナーはWEB受講のみとなります

会場案内
受講料 (消費税等込み)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
テキスト
講師
関西大学 環境都市工学部 エネルギー環境工学科 教授 山本 秀樹 先生
日時
2020/11/4(水)10:00〜16:30
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受講形式
 WEB受講のみ
  *こちらのセミナーはZoomシステムを使用したオンラインセミナーとなります。

受講対象
溶解に関連する技術者、開発者、研究者
 粉体、高分子、塗料、インク、機能性材料、接着剤
 エラストマー、医薬品、化粧品食品、サプリメント など


習得知識
1)溶解平衡の基溶解度パラメータ (SP値・HSP値) の基礎
2)溶解度パラメータ (SP値・HSP値) の利用法
3)溶解度パラメータ (SP値・HSP値) の計算方法
4)溶解度パラメータ (SP値・HSP値) を用いた溶解性の評価
5)溶解度パラメータ (SP値・HSP値) の用途の実例
6)Hansen溶解球およびHSP値利用の最前線から実際の活用手法


講師の言葉
  J.H.Hildebrandが正則溶液理論の研究において定義した溶解度パラメータ(Solubility 
Parameter:δ[J/cm3]1/2)は、物質(気体・液体・固体)の凝集エネルギー密度の平方根で
示される物質固有の物性値であり、SP値として一般に知られています。
 現在でもSP値は、物質-物質間の溶解度、ぬれ性、接着性、溶媒中微粒子の分散性の評価に
多用されています。C.M.Hansenは、Hildebrand が提案したSP値の凝集エネルギーの項を、
それぞれの物質の分子間に働く相互作用エネルギーの種類によって分割し、SP値を、分散力項(δd)
双極子間力項(δp)、水素結合力項(δh)として表し、Hansen溶解度パラメータ(以下:HSP値)
として提案しました。
 現在、HSP値は高分子-溶媒間、高分子-高分子間などの相溶性評価、ナノ粒子の溶媒中での凝集・
分散性評価、樹脂の溶媒に対する耐性評価など広く用いられています。
 また、HSP値は、化学製品の製造工程において、溶質に対する最適溶媒の選択や混合溶媒の最適な
組み合わせの選定、さらに、最適混合比などにも有効であることが報告されています。
 近年、Hansenの研究グループは、分子構造が未知である高分子やフラーレン、カーボンブラック、
TiO2などの微粒子・ナノ粒子表面のHSP値を実験的に求める新しい手法として、Hansen solubility 
sphere法(以下Hansen溶解球法)を提案しており、その汎用性の高さから現在多くの研究者から注目
されています。
 本講演セミナーでは、SP値の基礎としてHildebrand(δ)およびHansen(δd,δp,δh)溶解度パラメータ
の計算方法およびHSP値を用いた物質-物質間の溶解性、ぬれ性、透明性、接着、溶媒中の微粒子の
分散性評価の方法についての基礎的な概念の紹介と、分子構造や組成が明らかでない物質のHSP値を
Hansen球法により求める応用法や、各種材料・分野におけるHansen溶解球およびHSP値利用の最前線
から実際の活用手法を解説します。

プログラム

はじめに
 ○“Hildebrand溶解度パラメータについて(原著より)”
 ○正則溶液理論から導かれた溶解度パラメータの意味
 ○物性値としての溶解度パラメータの価値
 ○一般的な物質(気体・液体・固体)の溶解度パラメータの総論
 ○HildebrandおよびHansen溶解度パラメータの相互関係

溶解度パラメータ(SP、HSP値)の種々物性からの計算方法
 1 蒸発熱および沸点からのSP値の計算方法
 2 表面張力からのδtの計算方法
 3 屈折率からのδdの計算方法
 4 誘電率からのδpの計算方法
 5 溶媒極性パラメータからのδhの計算方法
 6 Hansen溶解度パラメータと物性値(沸点、融点、比熱、熱伝導度など)の相関

溶解度パラメータ(SP値)の分子グループ寄与法(分子構造)による計算
 1 Fedors の計算方法
 2 K&H法の計算方法
 3 Hoyの計算方法
 4 Stefanis&Panayiotou法(S&P法)
 5 HSPiPプログラム(相溶性、接触角、浸透性、分散性)への応用

HSP値計算ソフトHSPiPプログラムおよびJKU-HSPプログラム
 1 HSPiPプログラムの紹介
 2 JKU-HSPプログラムの紹介
 3 JKU-HSPプログラムの新しいパラメータの開発状況
 4 JKU-HSPプログラムの推算精度と応用
 5 JKU-HSPプログラムおよびHSPiPプログラムの応用

多成分系混合溶媒の溶解度パラメータの計算方法
 1 2成分溶液の溶解度パラメータの計算方法
 2 多成分溶液の溶解度パラメータの計算方法
 3 多成分溶液の溶解度パラメータの実測方法
 4 混合溶媒のHSPの非理想性評価
 5 HSP値を用いた溶解のための最適混合比の考え方

Hansen球の考え方およびHSP値の3Dグラフの意味
 1 Hansen Solubility Sphere Methodの原理と考え方
 2 3Dグラフ上での相溶性・溶解性の評価
 3 3Dグラフ上での多成分系混合溶媒の評価
 4 Hansen溶解球法の特徴

炭素材料のHSP値の測定および溶解性評価
 1 種々の炭素材料のHSP値の測定方法
 2 フラーレン(C60)のHSP値の測定
 3 石油から分離された種々のアスファルテンのHSP値の測定
 4 炭素材料のHSP値の評価 

溶解度パラメータ(HSP値)を用いた微粒子・ナノ粒子の凝集・分散性評価
 1 Hansen球法によるHSP値の測定方法(固体・液体・気体)
 2 微粒子・ナノ粒子表面のHSP値の測定方法
 3 シリカ粒子および表面を改質したシリカ粒子表面HSP値の測定
 4 HSP値を用いたナノ粒子の分散・凝集性の評価
 5 浸透性評価によるナノ粒子表面のHSP値の測定
 6 酸化金属表面のHSP値の測定 
 7 カップリングされたナノ粒子表面のHSP値の比較
 8 Hansen溶解度パラメータ(HSP値)を用いた樹脂の透明性評価

ポリマー、樹脂類のHSP値の測定
 1 ポリマー、樹脂類のHSP値の測定
 2 フィルム表面のHSP値の測定
 3 生体材料のHSP値の測定
 4 花粉表面のHSP値の測定

IGC(逆相ガスクロマトグラフィー)を用いたHSP値の測定
 1 IGCの原理と溶解性評価
 2 IGCを用いたχパラメータの測定
 3χパラメータとHildebrand溶解度パラメータ
 4 IGCを用いたHansen溶解度パラメータの測定
 5 IGCを用いたHSP値測定の有用性について

Hansen溶解球(2球)によるHSP値の考え方と測定
 1 界面活性剤のHSP値とHansen溶解球(2球)の考え方と測定例
 2 イオン液体のHSP値のHansen溶解球(2球)の考え方と測定例

未来型HSP値計算ソフト(JKU-HSPプログラム)開発について
 1 JKU-HSPプログラムの紹介
 2 分子構造からHSP値の推算方法の概念
 3 JKU-HSPプログラムからの分子構造の予測ツール開発

おわりに
 溶ける、溶けないを、見極(予測)する意味
 Hildebrand溶解度パラメータの応用と限界
 Hansen溶解度パラメータの幅広い応用と将来展望
 将来期待されているHSP値の応用分野(医学、食品、薬学)
 現場における溶解性評価の高度化・迅速化に対するHSP値の価値
 溶解に係る新規材料開発のHSP値高度利用の方向性

<質疑応答>

講師紹介                      
1984年3月31日:関西大学大学院工学研究科化学工学専攻博士課程前期課程 修了
1984年4月1日:関西大学 助手(工学部)
1993年4月1日:関西大学 専任講師(工学部)
1996年4月1日:関西大学 助教授(工学部)
1997年9月25日:米国テキサスA&M大学、およびTRCへ留学(1年間)
2004年4月1日:関西大学 教授(工学部化学工学科:現在,環境都市工学部)

受賞歴
資源・素材学会賞 論文賞 受賞
関西シリコンバレーホーラム主催 ベンチャーアイデア大賞 優秀賞 受賞
関西大学科学技術振興会 産学連携賞 受賞(3件)
関西大学科学技術振興会 学の実化賞 受賞
2014,Best Paper Award(USA) 受賞 
“7th International Conference on Engineering and Thechnologycal Innovation(2014)”  
2015,Best Paper Award(USA) 受賞
“19th World Conference on Systematics, Cybernetics and Informatics(2015)”