受講形式 会場・WEB 受講対象 結晶性物質を取り扱う化成品製造業種(医薬、新素材、食品、電子材料) 初心者から研究技術者までを網羅します。 予備知識 特になし 習得知識 1)再沈・再結晶でのトラブル回避の実践的手法 2)連続フロー製造が注目されるその理由 3)結晶純度、結晶形態、結晶多形、粒径分布改善法のコツ 4)結晶品質制御の戦略 5)DSC、XRD、測定データの実践的活用法 6)回分冷却晶析、非(貧)溶媒添加晶析、反応晶析法のコツ 7)オイルアウト現象の理解と回避のコツ 8)スケールアップのための第1選択 講師の言葉 結晶粒子群を取り扱う分野は、精密化成品や医薬品のみならず、機能性材料やスマートマテリアル 関連素材など多岐にわたっており、今まで以上の高効率生産でしかも高度な品質制御技術が必要と されています。「再沈」「晶出」「沈殿」 や「再結晶」と呼ばれる操作を行う際、なぜその操作の 少しの違いが、純度などの結晶品質に影響を与え、生産性にも大きく影響するのかを正確に理解しておく ことが大切です。純度、粒径分布、形状、多形などの結晶性物質の品質を作り込む操作が「晶析技術」と 呼ばれていますが、このセミナーでは、講師が今まで経験した企業との共同研究などを通じ、結晶化 現象の本質をズバリ解説し、どうやれば結晶化を制御でき、晶析操作を工夫できるのかについて、 最新の連続フローなどの技術トレンドにも触れながら講義します。普段合成を専門に研究している 研究技術者には精製・分離操作の「コツ」を、そして普段から晶析に携わっている研究技術者には 晶析操作の「戦略」をレクチャーします。
プログラム
1.合成技術と晶析操作との接点
-沈殿・再結晶と連続フロー製造との接点を探る-
1-1.結晶化で遭遇するトラブル事例
1-2.沈殿・再結晶と晶析テクノロジーとの接点
1-3.精製+結晶粒子群=晶析の本質
1-4.連続フロー製造メリットの本質
2.結晶化のメカニズムとその速度論
-実践で役立つ結晶化現象を理解する-
2-1.晶析操作の本質をしっかり理解する
ー冷却、濃縮、pH制御、反応晶析の共通項ー
2-2.結晶化の推進力と固液平衡
2-3.核発生速度と成長速度論
2-4.演習で理解する晶析現象
3.今すぐ役立つ結晶品質の測定法
-マニュアルにない実践的使い方とコツ-
3-1.マニュアルには載っていない熱分析データを読み取るコツ
3-1-1.DSC(示差走査熱量計)でわかること
3-1-2.DSC測定データの解釈とその応用
3-2.マニュアルには載っていないX線分析データを読み取るコツ
3-2-1.XRD(粉末X線回折)測定データの意味
3-2-2.XRD測定データと結晶形態・結晶子径との関連性
4.スケールアップで役立つ結晶品質の実践的制御法
-結晶品質に関わる具体的問題解決アプローチを理解する-
4-1.結晶品質を安定させたい(結晶多形制御)
4-1-1.結晶多形に及ぼす操作因子とは
4-1-2.結晶多形制御の戦略
4-2.結晶の形を変えたい(結晶形態制御)
4-2-1.結晶形態に及ぼす操作因子とは
4-2-2.結晶形態制御の戦略
4-3.粒径分布を改善したい(CSD)
4-4.結晶純度を改善したい(純度制御)
4-5.オイルアウトを回避したい
4-6.連続フロー製造を成功させるキーテクノロジー
4-6-1.連続晶析装置の考え方
4-6-2.連続フロー製造への展開
4-7.演習で理解する結晶品質の制御
5.結晶品質改善のための晶析操作設計法の戦略と実践
-具体的品質作り込みポイント-
5-1.晶析操作設計の留意点
-冷却晶析や非(貧)溶媒添加法-
5-2.反応を伴う晶析操作の実際
5-3.晶析と撹拌との関係
5-4.スケールアップで考慮すべき項目
5-5.連続フロー晶析に関わる最近トレンド
6.最新トピックス紹介
-最先端研究の一部から品質制御のヒントを読み取る-
6-1.回分から連続フロー製造への展開
6-2.オンラインセンサー利用技術
7.まとめ
講師紹介
平成 4年3月 東京工業大学 総合理工学研究科 修了 博士(工学) 平成14年8月 東京農工大学 工学部 化学システム工学科 助教授 平成23年4月 東京農工大学 大学院 工学研究院 教授 平成21-30年度 日本海水学会 総務理事 平成20-31年度 化学工学会材料界面部会幹事 平成26-27年度 分離技術会編集委員長 平成27-現在 分離技術会企画委員長 平成27-31年度 晶析技術分科会代表 平成30-現在 日本海水学会 編集担当理事 2011年ー現在 EFCE Working Party on Crystallization Guest Member