溶解度パラメータを理解し活用するための

『溶解度パラメータ(SP値・ HSP値)の基礎と活用法
微粒子・ナノ粒子分散安定化を中心に~

セミナー
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SP値・HSP値の由来,物質のSP値・HSP値の求め方,微粒子分散系の調製,ぬれ・分散化のための
 溶媒/樹脂の選択と表面修飾法,工業的安定化のための分散剤や界面活性剤の最適選択法,
 微粒子分散系の安定性評価について多くの事例を踏まえて、初歩から分かりやすく解説する特別セミナー!!
講師

山口大学名誉教授 工学博士 専門:化学工学・微粒子工学
大佐々 邦久 先生

日時
2019/7/31(水)10:00〜16:50
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内
受講料 (消費税等込み)1名:48,600円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
テキスト
講師

山口大学名誉教授 工学博士 専門:化学工学・微粒子工学
大佐々 邦久 先生

日時
2019/7/31(水)10:00〜16:50
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

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受講料 (消費税等込み)1名:48,600円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
テキスト
予備知識
予備知識は特に必要ありません。基礎からご説明します。



習得知識
1)SP値・HSP値の由来と様々な物質のSP値・HSP値の求め方
2)ぬれ・分散化のための溶媒/樹脂の選択と表面修飾法
3)長期安定化のための高分子分散剤/界面活性剤の最適選択法
4)微粒子分散系の安定性評価法

 


受講対象
‐初めての方から中堅の方で、SP値・HSP値や微粒子分散系の調製を基礎から学ばれたい方 
‐塗装・インキ、電子情報材料および医薬品製剤などの研究開発、製造や品質保証に携わられる方


 


講師の言葉
 溶解度パラメータ(SP値)の概念は、端的に“Likes like likes.”、「類は友を呼ぶ」で
表すことができます。すなわちSP値の近い物質同士は、よく溶け、よく付き、よくぬれ・分散します。
特にHansenが提唱したSP値(HSP値)は、異種物質間の溶解性や付着性のみならず、微粒子の
分散安定性などの評価にまで拡張することができますから、多くの分野で不可欠のツールです。
 本講では、先ずSP値・HSP値の由来、および化合物や粒子表面など様々な物質のSP値・HSP値の求め方
についてご説明します。ついで濃厚系や非水系を含む微粒子分散系の調製を取り上げますが、微粒子・
ナノ粒子はぬれ・分散化するだけでは駄目で、長期安定性が欠かせません。
そこでぬれ・分散化では、溶媒/樹脂の選択や表面修飾の評価におけるSP値・HSP値の活用例をご紹介します。
 また、工業的な安定化では、分散剤や界面活性剤の添加が不可欠ですが、それらの選択に際してはSP値・
HSP値だけでなく、その兄弟分に当たる表面エネルギーや酸塩基度なども活用し、多くの事例を踏まえて、
初歩から分かりやすく解説します。

 

プログラム

1.微粒子分散系の調製と問題点
    1.1 微粒子分散系の調製における問題点
     ・微粒子分散の調製工程
     ・ぬれ/分散化、安定化およびミーリング工程における課題
    1.2 濃厚系および非水系における問題点
     ・濃厚系における粒子間距離の短縮と個数濃度/凝集速度の増大
     ・非水系における静電反発力の低下
     ・非水系における分散剤の溶解性/伸長性

2.SP値・HSP値の由来
     2.1ギブスエネルギー変化と相互作用パラメータ
     ・溶解および分散の熱力学とSP値の由来
     2.2 HildebrandのSP値とHansenのSP値(HSP値)    
     2.3 相互作用距離(HSP距離)とHansen球/Teas線図の利用法

3.高分子、界面活性剤および油類などのSP値・HSP値の計算と測定法
     3.1 原子団寄与法による計算
     ・Fedors法と計算例
     ・van Krevelen & Hoftyzer法と計算例
     ・Hoy法と計算例
     ・Stefanis & Panayiotou法と計算例
     ・ソフトウェアHSPiPとその利用法など
    3.2 溶解/膨潤性・プローブ吸着性を利用した測定法
     ・濁点滴定法
     ・Hansen球法
     ・固有粘度法など
     3.3 インバースガスクロマトグラフィー(IGC)法

4.粒子表面を含む様々な固体表面のSP値・HSP値の測定法
    4.1 凝集沈降法
    ・分散濃度法
    ・界面沈降速度法
    ・凝集粒子径法など
    4.2 IGC法(粒子、繊維、膜などが可能)

5.ぬれ・分散化のための溶媒/樹脂の最適選択
    5.1 Hansen球および相互作用距離に基づく溶媒選択
    ・Hansen球とぬれ張力/ぬれ径
   5.2 表面エネルギーによるぬれ・分散化の評価
    ・Young-Dupreの式、付着仕事、界面張力
    ・表面張力と成分分け
    ・臨界表面張力法による表面エネルギーの測定
    ・接触角の測定と表面エネルギーの成分項の計算
    ・IGC法による表面エネルギーと成分項の測定
    5.3 ぬれの形態と溶媒/樹脂の選択指針
    ・浸漬ぬれによる溶媒/樹脂の選択
    ・拡張ぬれにおけるwetting envelopeを利用した溶媒/樹脂の選択

6.粒子間相互作用と微粒子・ナノ粒子の分散安定化
    6.1 van der Waals引力とHamaker定数
    6.2  DLVO理論と静電反発作用による安定化
    ・電気二重層とゼータ電位の測定
    ・水系および非水系における静電反発ポテンシャルと凝集限界
    ・濃厚系における多体効果と静電反発力の低下
   6.3 分散剤を用いた立体反発作用による安定化
    ・HVO理論による立体反発ポテンシャルと分散剤の親媒性
    ・高分子ブラシを用いたナノ濃厚系の分散安定化
    ・静電立体反発作用による相乗効果
    6.4 非DLVO的相互作用
    ・水系における水和反発力と疎水性引力、枯渇凝集と枯渇分散

7.分散剤の最適選択法
    7.1分散剤の種類と働き
    ・高分子分散剤と界面活性剤の使い分け
   7.2 立体反発作用に基づく最適選択のためのポイント
    ・非水系における良溶媒の選択
    ・最小吸着層厚さと分子量
    ・分散剤の最適添加量と枯渇作用
   7.3 分散剤の吸着特性
    ・分散構造と吸着形態
    ・粒子表面の酸塩基性の測定
    ・分散剤の酸塩基性(酸価・アミン価)の測定と粒子表面に合わせた選択
    ・IGC法による酸塩基測定と酸塩基相互作用パラメータの活用

8.分散安定化のための表面修飾法
    8.1 界面活性剤を用いた表面修飾
    ・界面活性剤の種類と働き
    ・HLB値とその求め方
    ・自己組織化単分子膜によるナノ粒子の分散安定化
    ・界面活性剤の吸着性と二層吸着膜による分散安定化
   8.2 カップリング法による表面修飾と分散安定化例
   8.3 グラフト法による表面修飾例と分散安定化例

9.微粒子分散系の安定性評価法
    9.1 フロック径法
    ・顕微鏡画像処理
    ・粒度ゲージ
    ・超音波スペクトロスコピーなど
    9.2 凝集沈殿法
        分散濃度法
    ・多重散乱を含む重力・遠心界面沈降測定
    9.3 レオロジー法
    ・流動曲線とチキソトロピー性
    ・動的粘弾性体の周波数応答など