課題解決、品質向上、技術向上のセミナーならTH企画セミナーセンター

品質制御・プロセス設計を実務で活用するための

医薬・食品対象とした凍結乾燥技術 

~品質制御やプロセス最適化に必要な基礎知識からシミュレーション手法まで~

【WEB受講(Zoomセミナー)WEB受講の場合のみ:ライブ配信/アーカイブ配信(7日間、何度でも視聴可)

オープンセミナー WEB受講

化学医薬食品・化粧品

凍結乾燥は「装置操作」ではなく、「現象理解と設計」で品質と効率が決まります。凍結・乾燥過程で同時に起こる相変化、熱・物質移動、コラプスや発泡の発生メカニズムを基礎から丁寧に解説します。さらにExcelによるシミュレーションを通じて、乾燥条件の最適化やデザインスペース推算まで実務に直結する考え方を習得できる特別セミナー!!

講師

九州大学大学院工学研究院 化学工学部門 教授(博士・工学)中川 究也 先生

講師紹介

日時
2026/2/13(金) 10:00〜16:00
会場
※本セミナーはWEB受講のみとなります。
受講料
(消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
テキスト
PDF資料(受講料に含む)

受講概要

受講形式

WEB受講のみ  

※本セミナーは、Zoomシステムを利用したオンライン配信となります。

受講対象

医薬・食品を対象とした技術的な話をしますが、関連業界の方であればどなたでも受講していただけます。

予備知識

講演の中で全て解説しますので、予備知識無しで受講していただけます。

習得知識

1)凍結乾燥の基礎原理,基礎知識

2)凍結乾燥プロセスや装置の理解

3)凍結乾燥プロセスの化学工学的な理解と数学的アプローチ

4)凍結乾燥製品の様々なトラブル対処の考え方 など

講師の言葉

 フリーズドライ(凍結乾燥)とは凍結した製品中の水分を昇華によって取り除くことを特徴とする乾燥手法です。質の保持に最も優れた乾燥方法として知られており、抗がん剤、抗生剤、ワクチンをはじめ、インスタント食品などの製造にもその利用はますます拡大しています。その反面、その背景で起こっている現象は非常に複雑で、一見静かにゆっくりと進行している凍結と乾燥の過程では、いくつもの現象が同時に起こっています。

 本講演では、それらの現象をひとつずつ丁寧に取り上げ解説します。これらの現象はいずれも最終的な製品の品質と結びついており、これを理解することで品質安定化のために必要な考え方を身につけて貰います。

 また、乾燥の進行速度がどのように決定しているかといった数学を使った解説を通じ、凍結乾燥がどのようなメカニズムで進行し、どうすれば乾燥を速く進行させられるかの考え方を身につけて貰います。

関連情報

ISLFD2026(凍結結乾燥の国際会)@福岡

International Society of Lyophilization – Freeze Drying, Inc. (ISL-FD)

中川先生が、Program Chairs として携わっておられます。

受講者の声

凍結乾燥について学ぶ機会はこれが初めてでしたが、基本的なことから分かりやすく教えていただけて大変勉強になりました。質問にも丁寧に答えていただき参考になりました

三相図を使用した濃縮相の解説など、非常にわかりやすかったです。

勉強になりました。理解が追い付かなかった部分についてはテキストを見直して復習しておきたいと思います。

具体例や、なかなか聞けない事前検討の話を聞けて、貴重なセミナーとなりました。

中川講師の解説が分かりやすく良かったです。聞きたかった質問にも対応いただき有意義でした。

プログラム

1     凍結乾燥にとって重要な物理化学を理解する

1.1   溶解度・溶解度曲線

1.2   結晶・結晶多形・ガラス転移

1.3   乾燥製品の物性

 

 

2     凍結乾燥の工程と装置を知る

2.1   凍結乾燥と他の乾燥手法との違い

2.2   凍結乾燥の工程

2.3   医薬用・食品用の凍結乾燥装置

2.4   凍結乾燥装置内で水はどう動くか

2.5   凍結乾燥過程の温度チャートの読み方

 

 

3     凍結乾燥過程で起こるさまざまな現象を理解する

3.1   凍結過程で起こる現象

3.2   過冷却現象の解除

3.3   固液相平衡図上で理解する凍結

3.4   氷晶が作るミクロ構造

3.5   アニーリング操作で変わる氷晶のミクロ構造

3.6   凍結乾燥製品の氷晶サイズの推算と分布

3.7   乾燥過程で起こる現象

3.8   コラプス・発泡の発生

 

 

4     Excelでできる凍結乾燥のシミュレーション

4.1   伝熱方程式・拡散方程式

4.2   凍結乾燥を数学的に記述する

4.3   棚板式バイアル凍結乾燥モデル

4.4   モデルを用いたシミュレーションの方法

4.5   シミュレーションの実施例

4.6   デザインスペースの推算

 

 

5     凍結乾燥を実施しよう

5.1   凍結乾燥プログラムの設定(一次乾燥温度・二次乾燥時間)

5.2   凍結乾燥の実施(ラボ試験)

 

 

6     品質を安定化させる

6.1   製品品質の変化はいつ起こるか

6.2   品質安定化のためのアプローチ

6.3   保護物質の役割と選定

6.4   復水性・再水和特性の保持

6.5   吸湿のメカニズムと湿度管理

6.6   好気成分の保持

6.7   ナノ粒子の凝集抑制

6.8   エクストリーム条件による安定性保持

 

 

7     分析手法

7.1   含水率測定

7.2   コラプス温度の測定

7.3   コラプス発生の評価

7.4   X線CTによる分析

7.5   凍結乾燥過程の温度計測

 

 

質疑・応答

略歴

平成15年 京都大学 工学研究科化学工学専攻博士後期課程修了・工学博士

平成15年 チュラロンコン大学(タイ) 博士研究員

平成16年 リヨン第一大学(仏) 博士研究員

平成18年 兵庫県立大学工学研究科 機械システム工学専攻・助教

平成22年 兵庫県立大学工学研究科ナノマイクロ構造科学研究センター・准教授

平成25年 京都大学農学研究科 食品生物科学専攻 農産製造学分野・准教授

平成31年 京都大学工学研究科 化学工学専攻 分離工学分野・准教授

令和6年 九州大学工学研究院 化学工学部門 熱プロセス工学研究室・教授