食品のおいしさを左右する「味・香り・テクスチャー」は、機器分析だけでは測りきれません。官能評価の基礎からプロパネル育成、信頼性ある評価設計、清涼飲料水での実践事例まで、現場で“使える”官能評価のノウハウを体系的に習得できます。商品開発・品質評価に直結するデータを得るためのプロセスと判断基準をわかりやすく解説します!!
- 講師
跡部技術士事務所(食品開発コンサルタント) 代表 跡部 昌彦 先生
技術士(農業部門、総合技術監理部門)、ポッカサッポロフード&ビバレッジ(株)味の科学研究所 所長を経て現職
- 日時
- 2026/2/2(月) 10:00〜16:30
- 会場
- ※本セミナーはWEB受講のみとなります。
- 受講料
- (消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
- PDF資料(受講料に含む)
受講概要
- 受講形式
WEB受講のみ
※本セミナーは、Zoomシステムを利用したオンライン配信となります。
- 受講対象
各企業の研究者・技術者、品質管理担当者、商品開発・企画担当者などで、
食品の官能評価(味、香り、おいしさ)を基礎から学びたい方・さらに理解を深めたい方
- 予備知識
特に必要ありません。
- 習得知識
1)官能評価の基礎と手順・手法
2)官能評価パネル(味、香り)の育成・選抜
3)官能評価の実践ポイント
4)食品の官能評価事例 など
- 講師の言葉
機器分析と比べた官能評価とメリットとして、「機器が不要で簡便・迅速に実施できる」と言われています。一般論としては正しいのですが、そんなに簡単なものではありません。デメリットとしては「個人差が大きい」「客観性に乏しい」「再現性に乏しい」と言われています。これも一般論としては正しいのですが、官能評価を理解して実践すれば解決できます。
官能評価は、特段の勉強をしなくとも、誰でも簡単にできると思われがちですが、信頼性あるデータを出すためには、それなりの勉強が必要で、先人たちの官能評価事例からも学ぶ必要があります。私は「官能評価は高度な専門技術」と考えています
本セミナーでは清涼飲料水での評価事例を盛り込みながら、官能評価の基本をお話いたします。清涼飲料水は官能評価が簡単な部類です。これが調理済食品になります、テクスチャーも入ってきますし、味・においの表現も広がっていきます。同じ試料を各パネリストに提供する手法も難しくなります。本セミナーでは清涼飲料水で基本を学んでください。
プログラム
1.官能評価の基本
1-1 官能評価
1-2 分析型官能評価と嗜好型官能評価
1-3 分析型官能評価で大切なこと
2.分析型官能評価の流れ
2-1 官能評価の手順
2-2 官能評価の進め方のポイント
3.分析型官能評価パネルの選定
3-1 官能能力試験によるパネルの選抜
3-2 官能評価パネルに必要な要件
3-3 社外パネルと社内パネル
4.分析型官能評価パネルの訓練・育成
4-1 官能能力試験に合格するための訓練
4-2 官能能力試験合格者へのパネル委託
4-3 官能能力試験合格後の育成
4-4 味覚・嗅覚トレー二ングキット
5.分析型官能評価の実施ルール
5-1 官能評価パネルの選定
5-2 官能評価法の選定
5-3 官能評価試料の調整
5-4 官能評価日時の設定
5-5 官能評価に及ぼす心理理的影響
5-6 試料の提示技法
6.官能評価の環境
6-1 官能評価室
7.分析型官能評価の手法
7-1 識別評価(2点識別試験、3点識別試験、1対2点識別試験、評価事例の紹介)
7-2 定量化・尺度法(評価事例の紹介)
7-3 特性プロファイル法(官能評価用語、QDA法、TI法、TDS法、TCATA法、官能評価ソフト、評価事例の紹介)
8.官能評価データの解析ソフト紹介
8-1統計解析ソフト
9.異臭検出
9-1 異臭とオフフレーバー
9-2 異臭識別試験
9-3 評価事例の紹介
10.嗜好型官能評価
10-1 嗜好型官能評価の進め方
10-2 アンケート調査
10-3 評価事例の紹介
11.官能評価の裏付け
11-1 機器分析
11-2 生体計測
11-3 評価事例の紹介
質疑・応答
略歴
1959年 ポッカレモン(株)に入社 (その後、(株)ポッカコーポレーションと社名変更)
以降、清涼飲料水や粉末・乾燥食品、レトルト食品、健康食品などの商品開発、食品素材開発、食品加工技術、
食品機能研究、おいしさ評価のほか、研究開発マネジメント業務を担当
2009年 味の科学研究所 所長
2013年 会社統合でポッカサッポロフード&ビバレッジ(株)となり、引き続き、味の科学研究所 所長
2015年 研究開発本部 シニアマネージャー
2016年 定年退職、引き続き嘱託社員(技術顧問)として勤務
2017年 跡部技術士事務所(食品開発コンサルタント)を開業 (現在に続く)
2018年 ポッカサッポロフード&ビバレッジ(株)を雇用期間満了で退職
著作
「食品賞味期限設定における商品別事例と官能評価対応ノウハウ」(共著、R&D支援センター、2023年)
「トコトンやさしい香料の本」(共著、日刊工業新聞社、2023年)
その他多数
所属学会・協会
公益社団法人日本技術士会
公益社団法人日本食品科学工学会
一般社団法人日本官能評価学会
一般社団法人日本臨床栄養協会
役職・活動状況
公益社団法人 日本技術士会 登録 食品技術士センター 副会長
公益社団法人 日本技術士会 中部本部 愛知県支部 幹事(企画研修委員長)
包装食品技術協会 事業推進委員(刊行物担当)
大同大学 建築学部 建築学科 かおりデザイン専攻 客員教授
