現場で実際に起きた静電気事故の事例をもとに、発生メカニズム・帯電特性・除電・接地などの対策を体系的に解説します。さらに、作業床の抵抗測定や導通確認など、再発防止に不可欠な実務手法をデモ形式で学びます。化学工場・製薬・電子材料・塗装・粉体工程など、すべての製造現場で“すぐに実践できる”未然防止の知識と管理スキルを習得できる特別セミナー!!
- 講師
一代技術士事務所 鈴木 孝 先生
技術士(化学部門)、労働安全コンサルタント(化学)
- 日時
- 2026/2/20(金) 10:00〜16:00
- 会場
- ※本セミナーはWEB受講のみとなります。
- 受講料
- (消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
- PDF資料(受講料に含む)
受講概要
- 受講形式
WEB受講のみ
※本セミナーは、Zoomシステムを利用したオンライン配信となります。
- 受講対象
・化成品製造に関わる技術者、技術チームリーダー、工場長
・工場の労働安全担当者
・化学設備メーカー など
- 予備知識
特に必要ありません。
- 習得知識
1)静電気事故防止法を学ぶことができる
2)いくつかの事例をもとに問題解決ができるようになる
3)静電気の測定方法、導通の確認方法、作業床の抵抗の測定方法を習得できる
4)事故原因を解明のための工学的手法が活用できるようになる
5)社内で事故が確実に減る など
- 講師の言葉
静電気事故は「冬だけの現象」ではありません。夏場であっても発生頻度はほとんど変わらず、化学工場における事故の中には、静電気による爆発・着火が少なからず含まれています。各社で静電気事故防止細則を定め対策に取り組んでいるにもかかわらず、同様の事故が毎年のように繰り返されているのが実情です。学校教育のカリキュラムではほとんど扱われない静電気について、果たして現場で適切な対策がとれていると言えるでしょうか。静電気は目に見えず、匂いもなく、五感では捉えにくいため、場当たり的な対策に終始し、再発を繰り返すリスクが高いと言えます。
また、どれほどCSR活動に注力していても、現代のネット社会では一度の事故が瞬時に拡散し、企業イメージや社会的信用に計り知れない影響を及ぼす可能性があります。
本講座は、こうしたリスクに正面から向き合うためのセミナーです。「実験を通じた静電気の見える化」、「導通の確認方法」、「作業床の抵抗測定方法」などをデモ実習を交えて学び、静電気事故防止に必要な具体的なスキルを身につけていただきます。
さらに、静電気の基礎知識からスタートし、代表的な事故事例の紹介、ハード面での対策の整理まで、事故の未然防止に不可欠な管理ポイントを網羅的かつ実務目線で解説します。現場で即活用できる知識を習得したい方、静電気事故対策にお悩みの方に、特におすすめの講座です。
プログラム
1.静電気の基礎知識
1.1 静電気発生のメカニズム
1.2 静電気の極性と帯電列
1.3 浮遊導体からの火花放電
1.4 誘導体電の概要
1.5 放電の種類(火花放電、ブラシ放電、コロナ放電、沿面放電他)
1.6 人体除電は靴と床
1.7 作業床の条件
2.静電気事故例と 可燃性物質の特性
2.1 静電気事故例と
それぞれの事故解析
2.2 特性要因図から読み解く
事故の本当の原因
2.3 放電による着火の仕組み
2.4 ガス、蒸気、粉体の
着火の危険性
2.5 不導体の帯電性の指標
2.6 物質の最小着火
エネルギー
2.7 粉体の帯電特性
3.除電方法、静電気事故対策 (ハード対策)
3.1 接地・ボンディング
3.2 浮遊導体・不導体の排除
3.3 不導体の静電気対策
3.4 作業者の帯電防止・接地
3.5 爆発性雰囲気の防止
4.未然防止の組織作り
4.1 危険物施設の
着火原因別火災事故発生件数
4.2 静電気事故に特化した
リスクアセスメント
4.3 化学会社の静電気事故
リスクの高い工程
4.4 不適合・事故・不祥事
ゼロに向けての教育
4.5 静電気事故防止のためのチーム作り
まとめ・質疑
まとめ
Q&A
略歴
16年間にわたり、医薬品原薬および半導体関連電子材料薬品メーカーにて研究開発品の量産化に関与する製造現場に従事。そのうち8年間は工場長として勤務し、現場と組織の間で生じるトレードオフ問題の解決に取り組む。
2011年の東日本大震災を経験し、その後の工場移転と新たな4つのプラントの立ち上げに参画。工場建設、対外折衝、技術移管といった復興プロセスを通じ、多くの静電気に関するトラブルを経験し、解決に導く。
2019年には、化学工場専門のコンサルタントとして独立し、一代技術士事務所を開設。安全は経営に直結するという信念のもとに、現場第一主義を掲げ、特に静電気事故防止対策に力を入れ、企業支援を行っている。
また、2021年12月からは厚生労働省の化学物質電話相談・訪問支援業務に従事する。品質管理、生産管理、労務管理、労働安全衛生、公害防止活動、コスト改善等、工場運営全般に精通し、特に、静電気事故防止対策と化学物質のリスクアセスメントの企業支援には定評がある。これらの経験をもとに、研究者の倫理と技術者の倫理について講義を行うこともあり、現在は東京科学大学大学院の非常勤講師も務めている。
学会等
公益社団法人日本技術士会(正会員)
一般社団法人化学物質管理士協会(理事)
一般社団法人静電気学会(個人会員)
資格
技術士(化学部門)、労働安全コンサルタント(化学)、エネルギー管理士(熱)、公害防止管理者(水質1、大気1)、第一種衛生管理者、高圧ガス製造保安責任者(甲種化学)
