
スラリーの分散安定性、現場で“なんとなく”の対応をしていませんか?評価できなければ、制御はできません。不安定な分散状態が製品品質を左右する今、再現性と信頼性を高める評価技術は待ったなし!
最新の測定手法からトラブル解決例まで、材料系・電池系・化学系の全てのエンジニアに向けて、1日で学べる特別セミナー!!
- 講師
兵庫県立大学 大学院工学研究科 准教授 佐藤根 大士 先生
博士(工学)
- 日時
- 2025/9/19(金) 10:00〜16:00
- 会場
- ※本セミナーはWEB受講のみとなります。
- 受講料
- (消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
- PDF資料(受講料に含む)
受講概要
- 受講形式
WEB受講のみ
※本セミナーは、Zoomシステムを利用したオンライン配信となります。
- 受講対象
スラリーを取り扱っている技術者・研究者
スラリーの取り扱いで現在トラブルを抱えている方
その他ものづくり等、プロセス内でスラリーを取り扱う技術者・研究者
- 予備知識
基礎的な粉体工学に関する知識があることが好ましいですが、
これらの経験が無くても理解できるような解説資料を作成します。
- 習得知識
1)スラリー中の粒子分散状態に関する基礎的な知識
2)種々のスラリー評価法に関する知識とデータの解釈
3)スラリー評価および制御法の最新動向
4)スラリーを取り扱う上でのトラブル例や解決指針など
- 講師の言葉
各種電池電極製造や材料プロセス、製薬や食品等の湿式粒子合成など非常に幅広いプロセスで固液分散系スラリーが取り扱われます。これらのプロセスで製造される製品の品質は、プロセスのスタート地点であるスラリー特性、特に分散安定性と密接な関係にあることは経験的に広く知られています。多くの場合は試行錯誤を繰り返してプロセスの最適化が行われますが、最適化しても材料の調達先、ロット、使用機材等の条件が変わると再度試行錯誤による最適が必要になることが大半です。また、最適化したはずが日によって全く異なる分散状態のスラリーができ上がるなど安定性に欠けるということも珍しくありません。この原因の一つに、スラリーの分散安定性評価が適切に行えていないことが挙げられます。特に、評価法の選択理由が保有している装置に限定されるなど測定できそうな情報を測定するだけに留まっている場合、製品特性とスラリー特性とのつながりを把握できていない事が多く、得られた情報からは問題解決につながらない場合があります。
そこで本セミナーでは、スラリーの分散安定性評価技術について、分散安定性に影響を及ぼす要因や各種スラリー評価手法の紹介とその特徴などの基礎的な情報、分散剤の選定や応用例などの最新動向まで、実例を交えて解説します。
- 受講者の声
スラリーの特徴を正確につかむための評価方法など、特に濃厚スラリーについて評価方法を知ることができて有用であると感じた。
幅広く学べたので参考になりました、ありがとうございました。
大変参考になりました。質問もでき有意義でした。
スラリーについて評価方法を学ぶ良い機会となりました。分かりやすい解説で助かりました。
参考になりました。濃厚スラリー系の内容もあるとより参考になると思いました。
プログラム
1.スラリーに関する基礎知識
1-1. スラリーの定義
1-2. 微粒子をスラリーとして
取り扱う利点
1-3. スラリーの取り扱いで
問題が発生する原因
2.粒子の特性
2-1. 粒子径,比表面積
2-2. 粒子径分布,粒子の構造
3.粒子と媒液の界面の理解
3-1. 粒子と媒液の界面
3-2. 粒子の帯電
3-3. 分散剤や界面活性剤の吸着
4.粒子間に働く力と粒子の 分散・凝集
4-1. DLVO理論
4-2. 吸着高分子による作用
4-3. その他の相互作用
4-4. 粒子の分散・凝集の原理
4-5. 凝集機構と凝集形態
4-6. さまざまな分散・
凝集状態の評価法
5.スラリーの流動特性と評価
5-1. 流動挙動の種類(流動曲線)
5-2. 流動特性評価法
5-3. 流動特性評価の実例
6.スラリー中の粒子の沈降挙動と 充填特性評価
6-1. 粒子の沈降堆積挙動
6-2. 堆積層の固化
6-3. 沈降による評価
6-4. 沈降静水圧法による評価
7.粒子径分布測定による評価
7-1. 粒子径分布測定による評価とその問題
7-2. 沈降静水圧法を利用した高濃度スラリーの粒子径分布直接測定
7-3. 直接観察による評価
8.浸透圧測定法による ナノ粒子スラリーの評価
8-1. ナノ粒子スラリーの特徴
8-2. 浸透圧測定法の原理
8-3. 測定結果の実例
8-4. 従来法との比較と測定結果から予測される成形体の微構造
9.スラリー調製
9-1. スラリー化および均質化,
最適化
9-2. さまざまなスラリー調製技術
9-3. 分散剤添加スラリー中の
溶存イオンの影響
9-4. スラリー特性の経時変化
9-5. 可逆的に分散凝集状態を
制御する手法
10.スラリーの分散状態および 充填特性評価の実例
10-1. 水系セラミックス
スラリーの評価例
10-2. リチウムイオン二次電池電極材料の評価例(非水系多成分系スラリー)
10-3. 過去に受けた相談と
その解決例
11.まとめ
まとめ
質疑・応答
略歴
2008年3月 名古屋大学大学院工学研究科 博士課程後期課程修了,博士(工学)
2008年10月 名古屋大学エコトピア科学研究所 研究員
2009年4月 名古屋大学大学院工学研究科物質制御工学専攻 研究員に異動
2010年4月 兵庫県立大学大学院工学研究科 助教
2016年4月 兵庫県立大学大学院工学研究科 准教授
著書:
基礎スラリー工学(丸善出版)
所属学会:
粉体工学会 評議員
日本エアロゾル学会 理事
化学工学会関西支部 庶務幹事
日本セラミックス協会
粉体粉末冶金協会