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2日間でじっくり学ぶCSV実務の最前線

FDA査察指摘2,900件づくGMP/QMS/GCTP適合のための
CSVデータインテグリティ対応実務(1日目)
スプレッドシートクラウドバリデーション実務運用(2日目)

【WEB受講(Zoomセミナー)ライブ配信/アーカイブ配信(7日間、何度でも視聴可)

オープンセミナー WEB受講

コンサルティング医薬

CSV対応は“形式的作業”ではなく、品質と信頼性を支える根幹です。GMP・QMS・GCTP環境において、電子記録・電子署名(ER/ES)やクラウド活用、データインテグリティに至るまで、現場で本当に必要とされるCSV実務の“本質”と“手順”を、第一人者が2日間で徹底解説する特別セミナー!!

講師

合同会社エクスプロ・アソシエイツ代表 望月 清 先生

元 アズビル 

米国ISPE GAMPデータインテグリティ専門部会メンバー

講師紹介

日時
2025/9/11(木)〜2025/9/12(金) 10:00〜16:30
会場
※本セミナーはWEB受講のみとなります。
受講料

(消費税率10%込)1名:77,000円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:71,500円

★1日のみ受講の場合:受講料(消費税率10%込)1名:49,500円 同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
※別途テキストの送付先1件につき、配送料1,210円(内税)を頂戴します。

テキスト
製本資料(受講料に含む)

受講概要

受講形式

WEB受講のみ

 ※本セミナーは、Zoomシステムを利用したオンライン配信となります。

受講対象

コンピュータ化システムのGMP/QMS/GCTP規制適合に係る以下の様な部門の方々にご参加いただきたいと考えている。
• QA、QC、薬事監査(社内監査、委託先監査)
• エンジニアリング IT 装置/システムの供給者
• CMC 製剤研究 分析研究

予備知識

特に必要ありません。

習得知識

本講座において、これらの実務対応方法を2日間にわたり以下の順でじっくりと解説する。
1)CSVの実務対応 (ERES対応を含む)
2)データインテグリティの実務対応
3)スプレッドシートのバリデーション実務と運用
4)クラウドシステムのバリデーション実務と運用

米国情報公開法(FOIA)にもとづきFDAへ開示請求して有償入手した2,900件を越す生の査察指摘事例に基づきファクトベースで基礎から解説する。ガイドラインではわからない実務対応要求をコンピュータに不慣れな方にも納得してご理解いただける。

講師の言葉

 GMP/QMS/GCTP適合とするために、CSVとデータインテグリティ(DI)対応は必須であり、スプレッドシートのCSVとDI対応も必須である。また、GMP/QMS/GCTP業務におけるクラウド利用が増加しているが、同様にCSVとDI対応が必要である。

1)CSVの実務対応 (1日目)
CSVのガイドラインとして厚労省の「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」やISPEのGAMP5があるが内容は異なる。どちらのガイドラインに従い、どの程度の深さや広さで実施すべきかの疑問にお答えすべく、CSVの本質を理解していただく。コンピュータ化システムを利用する場合、その信頼性確保にはCSVに加えERES(電子記録・電子署名)対応が必要になる。ERES対応方法は厚労省のERES指針やFDAのPart 11に記載されており、これらについても解説する。

2)データインテグリティの実務対応(1日目)
FDA、PIC/Sなど多くの当局から様々なDIガイダンスが発出されており、DIの基本要件はALCOAプラスであると説明されている。一方、査察官が期待するDI実務は、システムや機器におけるDI機能の充実とともに高くなる。例えば、20年前には監査証跡に関する指摘は稀であったが、単純な機器であっても近年では監査証跡の指摘を受ける。従って、各極のDIガイダンスを読み込んでALCOAプラスを頭のなかで深掘りしても、査察官が現時点で期待するDI実務レベルにたどりつけない。本講座では2,900件を超すFDAの最新査察指摘事例から学び取ったDI実務対応を解説する。

3)スプレッドシートのバリデーション実務と運用(2日目)
スプレッドシートは
• 生データの記録に使用しているとデータインテグリティ不適合との指摘を受けることがある
• 年次品質レビュー(品質照査)に使用するスプレッドシートも査察対象となる
• QAにおけるスプレッドシートも査察対象となる
• バリデーションやセル保護が不十分であると査察指摘を受ける
• 再バリデーションの正当性を説明できないと査察指摘を受ける

本講座において、スプレッドシートの効率的CSV実務を、以下の実務文書により具体的に説明する。
・『VMP:バリデーションマスタープラン』(スプレッドシートのCSV規程)
・『文書テンプレート』(チェックボックス式CSV文書ひな形)
チェックボックス式の『文書テンプレート』によりスプレッドシートのCSVを定型化できるのが本講座の特徴である。CSVに馴染みのなかった方でもさくさくとバリデーションできるようになる。

4)クラウドシステムのバリデーション実務と運用(2日目)
GxP規制下においてクラウドの利用が加速しつつあるが、規制適合とするにはクラウドといえどもオンプレミスと同等の信頼性を確保しなければならない。オンプレミスはすべてユーザー管理下で運用されているので、ユーザー自身で信頼性を確保できる。一方クラウドにおいては、供給者が管理・運用するシステムをユーザーが利用する。したがって、クラウドの信頼性確保は、供給者における管理・運用とユーザー自身の管理・運用によるところとなる。クラウド供給者の管理にはGMP省令 「第11条の5 外部委託業者の管理」が求められる。 GxP規制下においてクラウドを利用するうえで実施すべきバリデーションの実践実務と運用を解説する。

プログラム

第1部:CSVとDIの実務対応(1日目)
(テキスト:第1分冊)

1. 改正GMP省令とPIC/S

 

2. データインテグリティとは

 

3. CSVとERESの基礎

 

4. リスクマネジメントの基礎

 

5. データインテグリティ用語

 

6. FDAのDI査察指摘
• 指摘トップ10
• 国内における指摘
• ラボにおける指摘
• 製造における指摘
• 環境モニタリング微生物試験における指摘

 

7. DI実務対応
• 紙記録(ラボ、製造共通)
• コンピュータ化システム(ラボ主体)
• 製造装置と検査装置

 

8. DIポリシーと手順書の策定方針

 

9. 主要ガイダンスの概況

 

10. PIC/S査察官むけガイダンスの解説:邦訳電子ファイル付き(161ページ)

 

11. MHRAガイダンスの要旨(英国医薬品庁):邦訳電子ファイル付き

 

12. FDAガイダンスの要旨:邦訳電子ファイル付き

 

13. 良くある質問*

 

14. 質疑応答

 

 

第2部:スプレッドシートのバリデーション実務と運用(2日目)
(テキスト:第2分冊)

1. スプレッドシートの要件
• FDA査察指摘から見た要件
• PIC/Sガイダンスにおける要件

 

2. スプレッドシートのバリデーション
• CSVが必要なスプレッドシート
• テンプレートの開発・検証・運用
• テンプレートのタイプ分け
• タイプごとの合理的なCSV方法

 

3. スプレッドシートのバリデーション規程(電子ファイル付き)
(VMP:バリデーションマスタープラン)
• 目的
• 適用範囲
• 役割と責任
• スプレッドシートテンプレートの管理
• スプレッドシートの分類
• バリデーションアプローチ
• バリデーション活動
◇計画フェーズ
◇開発フェーズ
◇検証フェーズ
◇報告フェーズ
◇再バリデーション
◇変更時のバリデーション

 

4. スプレッドシートバリデーション文書ひな形
• チェックボックス式の文書ひな形(電子ファイル付き)
◇バリデーション計画書
◇ユーザー要求仕様書(URS)
◇機能仕様書(FS)
◇ 設計仕様書(DS)
◇デザインレビュー報告書
◇バリデーション報告書
• 事例によるひな形使用方法の説明

 

5. テンプレートの運用管理
• テンプレートの管理
• 結果シートのレビュー
• 結果シートの保管(紙、電子)
• 最新版テンプレートの使用徹底
• エクセル演算誤差の注意

 

6. 質疑応答

 

第3部:クラウドシステムのバリデーション実務と運用(2日目)
(テキスト:第3分冊)

1. クラウドサービスの基礎
◇クラウドとオンプレミス
◇ IaaS、PaaS、SaaS
◇仮想化環境/仮想化サーバー
◇可用性と稼働率
◇クラウド基盤のアーキテクチャ
◇クラウドサービス提供者

 

2. クラウドのリスク

 

3. PIC/Sのコンピュータ要件

 

4. クラウドのバリデーション
◇IaaSのCSV
◇ PaaSのCSV
◇SaaSのCSV

 

5. クラウド基盤のURS

 

6. クラウド基盤の適格性評価

 

7. クラウドサービス提供者の適格性評価と監査
◇ GMP省令「第11条の5 外部委託業者の管理」について
◇ 供給者監査のFDA査察指摘事例
◇ 適格性評価と監査の実施方法
◇ 第一者監査 第二者監査 第三者監査

 

8. クラウド基盤適格性評価計画書の事例紹介(20ページ)

 

■質疑応答■
CSV、ERES、データインテグリティ、スプレッドシート、クラウドなど日常の業務において困っていることや疑問などにお答えします。講演当日の活発な質問は大歓迎ですが、質疑応答時間に限りがありますので、1週間前までにご提出いただいた事前質問への回答を優先いたします。

 

■良くある質問■
以下をはじめとする質問、および事前に提出いただいた質問にお答えする。
1) 監査証跡の定期的レビューをどのようなタイミングで行えばよいのか
2) 監査証跡の定期的レビューをどのような方法で行えばよいのか
3) 監査証跡機能がない場合どのように対応すればよいのか
4) 監査証跡機能がないと査察で指摘されるのか
5) 監査証跡はどのようにバリデートすればよいのか 
6) 試験関係者がシステム管理者になるとなぜ指摘を受けるのか
7) HPLCのプリントアウトを生データとすると指摘を受けるのか
8) データインテグリティはどのように査察されるのか
9) 工程内検査のインテグリティは査察されるのか
10) 個別のアカウントを設定できない器機/システムは更新が必要か
11) 電子生データはどのように管理・運用すればよいのか
12) スタンドアロン機器のデータインテグリティ対応はどの程度必要か
13) ハイブリッドシステムはどのように対応すればよいか
14) FDA査察をのりこえるにはどのような対策が必要か
15) 治験薬における対応はどの程度必要か
16) リスク対応はどのように行えばよいのか
17) OOS処理の査察指摘はどのようにすれば回避できるのか
18) LIMS導入はデータインテグリティ対応となるか
19) Empower 3等のCDS導入はデータインテグリティ対応となるか
20) バックアップの定期的リストアテストは必要か
21) ALCOAをベースにGAPチェックリストを作ろうとしたが難しい
22) 試験実施者に解析メソッド作成・変更の権限を与えて良いか
23) 同じ分析装置にGMP試験とGMP適用外の試験を混在させてよいか
24) 電子記録バックアップの隔離保管は必要か
25) システム管理を行うIT職員にGMP教育は必要か
26) OSへの共通IDログインは許容されないのか
27) スプレッドシートのデータインテグリティ留意点
28) LIMSやSDMSへデータを吸い上げたら分析機器のデータを削除してよいか
29) デジタル画像を生データとする場合、何に注意すればよいか
30) 機器使用台帳(機器使用ログ)に何を記載しなければならないのか
31) AIの使用は認められるか
32) コンピュータ化システムの再バリデーション頻度はどの程度が適切か
33) バリデーション資料はどの程度の期間保存する必要があるか
34) CDやDVDの劣化確認方法
35) バックアップHDDの点検頻度
36) アジャイル型開発は認められるか
37) サーバーのシステム管理者アカウントを共有してよいか
38) 崩壊試験や呈色滴定などのDI対応方法は
39) 装置や機器のエラーをQAに報告すべきか
40) ミラーリング(RAID1)はデータバックアップになるか 
41) 業者保守作業における監査証跡のレビューは必要か
42) 検量線と面積計算のバリ資料を査察で求められた時の対応は
43) イベントログの定期レビューを査察で求められた時の対応は
44) CMCなど研究開発におけるDI対応は
45) バックアップ/リストアの要件とその対応方法は
46) 旧システムのデータが新システムで異なる結果となる場合の対応方法は
47) 見読性の長期維持方法は
48) 電子署名した電子記録をシステムから取り出してよいか
49) 電子署名した電子記録のプリントアウトに手書き署名は必要か
50) PDFを編集できると査察指摘を受けるか
51) 装置バリデーションにおけるURS必要性の指導方法は
52) デジタル署名と電子署名の使い分けは(リモートワーク対応)
53) 電子文書を電子的に照査・承認する方法は(リモートワーク対応)
54) パスワード定期変更の頻度は
55) バリデーション指針とはどのようなものか
56) エクセルの保護機能破り対策は
57) CSVをはじめて要求された装置メーカの対応は
58) 製造検査装置における個々検査データ(計量値)のバックアップは必要か
59) 理不尽な監査指摘へどのように対応すればよいか
60) 監査証跡の回顧的レビューにおける留意点は
61) アジャイル型で開発されたシステムのバリデート方法は
62) ChatGPTに正当性はどの程度あるのか
63) CAPAはどのように指摘されるのか
64) バックアップデータのリストアはどのように検証すればよいのか
65) 臨床試験におけるラボの管理はどのようにすればよいのか

上記質問の回答は700スライド超のテキスト第1分冊(1日目用)に記載されている。

略歴

1973年4月 山武ハネウエル株式会社(現アズビル株式会社)入社

2014年4月 アズビル株式会社 退職

2015年4月 合同会社 エクスプロ・アソシエイツ 代表

1973年山武ハネウエル株式会社(現アズビル)入社。分散型制御システム(DCS)を米国ハネウエル社と分担開発。2002年よりPart 11およびコンピュータ化システムバリデーションのコンサルテーションを大手製薬会社にご提供。2009年より微生物迅速測定装置の啓蒙普及に従事。2014年5月より現職

活動と資格

米国ISPE GAMPデータインテグリティ専門部会メンバー

米国PDA認定コンピュータシステムオーディター

日本QA研究会認定 GLP-QAプロフェッショナル(GLP-QAP)

日本PDA製薬学会 無菌製品GMP委員会 環境モニタリンググループメンバー

日本ISPE無菌委員会 環境モニタリングWG元リーダー