電子部品のトラブル解決のための

電子機器の回路別にみた部品のトラブルとその対策
~自動車電装品の実例からみる信頼性の押さえどころ~

回路ごと,部品ごとの過去トラブルやユニットセットでの限界試験,部品ごとの認定試験,回路でのウイークポイントを通して
部品選定や部品の使い方を追求し,部品ごとの弱さをはずした対策について多数のデータをもとに解説する特別セミナー!!

講師

技術コンサルタント 伊藤 千秋 先生
 オムロン株式会社 品質保証部長,部品技術部長等歴任後現職
 制御機構部品の品質保証を15年,自動車電装部品の品質保証23年経験,品質・信頼性一筋のプロフェッショナル
 この間,日本科学技術連盟 信頼性開発技術研究会 委員長などを歴任 

日時
2017/1/18(水)10:00〜16:50
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内
受講料 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
テキスト
講師

技術コンサルタント 伊藤 千秋 先生
 オムロン株式会社 品質保証部長,部品技術部長等歴任後現職
 制御機構部品の品質保証を15年,自動車電装部品の品質保証23年経験,品質・信頼性一筋のプロフェッショナル
 この間,日本科学技術連盟 信頼性開発技術研究会 委員長などを歴任 

日時
2017/1/18(水)10:00〜16:50
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内
受講料 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
テキスト

受講対象

 回路設計,品質保証,設計評価,購買の中堅技術者

予備知識

 電子部品の一般的、基礎的な呼称、用語、技術に関する知識

習得知識

 1)電子部品の材料・構造・製造プロセスの押さえどころ
 2)回路の余裕度の測定の理解と押さえどころ
 3)電子部品のつかい方の理解と押さえどころ

講師の言葉

 このセミナーでは自動車電装部品の主要な電子回路を例にとって回路の信頼性をあげていくための押さえどころを
具体的に解説していく。電子回路の信頼性は回路設計の良し悪しはもちろんのことであるが、それと同じくらいに
その回路でつかわれる部品の良し悪しが回路の信頼性を決めていく。 反面、回路の部品点数を少なく、部品は小さく、
安くといったコストがらみのどちらかといえば相反する要求があるのもまた事実である。
ここがうまくいけば効率的、
効果的な設計ができたと喜ばれるが、一歩まちがえば手を抜いたと叱責をうけるのが設計、評価の立場にいる人たちで
あって、ここは紙一重の差でしかないことを知っているのはあなた自身なのである。
 こと、電子部品についてはどこの業界でもどういうつかい方でも広く使えるようにしないとたくさんの量ははけないし、
コストは安くはなっていかない。
 そういう意味で電子部品のスペックは広く浅く平均的な仕様でどこでも売れるようなゼネラルなスペック、いわゆる
一般的な仕様でしか電子部品メーカからは提示されない。そうすると自社の属する業界にあった使い方、実力が
どうかからみた電子部品の選び出し、評価をするという業務はあなたの会社できちんとやらなければいけないことなのである。
メーカ任せのスペックでメーカ任せの試験結果で部品を採用して近い将来痛い目にあうかもしれない、または過去に
そうしたことにあっているのはほかならぬあなた自身なのである。反面、自動車電装部品だからといって個別要求を
どんどんつきつけていくと特殊仕様、特別仕様になっていく。
 確かにそういう部品もあるが、すべてがこんなことをいっていたら自動車であっても電装部品はコスト的にも
成り立っていかない。
 究極のいい電子部品というのはメーカの標準部品で主力の量の多い安定したラインでつくられるものがコストは最も
安く、品質、信頼性も最も安定しているのであり、こういうものから自社、自社の属する業界にあった実力、余裕の
ある部品を選び出すことになる。 そして自社の中では実力を管理していく。認定初期だけでなく、4M変更時は
無論のこと定期的に試験をして実力の管理をしていくことである。
良く考えてみてください。
 あなたの会社の電子ユニット、十分考えて設計した、設計検証もきちんとした、試験をした、それで合格した、
でもそれはその時点での部品ごとの実力の集大成でしかない。 それが、個々の部品の実力がスペックぎりぎりまで
下がった時に、ユニットやシステムとして本当にもつのかというと必ずしもそうではない。部品個々にはスペックに
入っていてもユニットセット、エンドユーザーでは思わぬトラブルにつながることも多いのである。世の中で万能な部品は
あり得ない、どんな部品も必ず弱さをもっている。
 設計で必要なことはこの部品ごとの弱さを掴むこと、回路はこの弱さをはずした設計をすること、とどのつまりは
部品を生かした設計をすることなのである。
 この講座では回路ごと、部品ごとに過去に経験したトラブルやユニットセットでの限界試験、部品ことの認定試験、
回路での余裕度測定を通して把握できたウィークポイントを通して部品選定や部品のつかい方について追求していく。 
 回路設計、購買、設計評価、品質保証の中堅技術者にあわせた講座である。

プログラム

1.基本的な考え方
(1)スペック保証・動作保証・致命モード保証の考え方
(2)デバイスの閾値と限度値と回路余裕度
2.基板並びに内部接続回路
(1)基板の表層リーク、焼損と基板の内層リーク、焼損
(2)スル―ホールのコーナークラック、バレルクラック
(3)スル―ホール疑似断線の発火、焼損
(4)鉛フリーはんだのリフトオフ・凝固割れ
(5)ウィッキングによるはんだ剥離
(6)パターンのめっきのブラックパッドによるはんだ剥離
(7)鉛フリーはんだのウィスカ―
3.CPU並びにリセット回路・クロック回路
(1)CPU暴走
(2)CPUコンタクトホール断線
(3)セラミック振動子発振一時停止
(4)水晶振動子発振一時停止
(5)リセットICとCPU動作電圧範囲のマッチング
4.パワーデバイス並びに出力回路
(1)パワーMOS-FETパワーサイクル寿命
(2)パワーMOS-FETサージ劣化ならびにESD劣化
(3)パワーMOS-FETリーク劣化
(4)リレー接点寿命
(5)リレーコイル焼損
5.IC・トランジスタ並びに信号処理回路
(1)C-MOSIC過電圧破壊・過電流破壊
(2)ツェナーダイオードリーク劣化
(3)整流ダイオードのスパッタリングの水分吸着によるリーク劣化
(4)積層セラミックコンデンサ割れ
(5)積層セラミックコンデンサ電歪現象による騒音
(6)積層セラミックコンデンサ圧電現象によるノイズ
(7)積層セラミックコンデンサ高電界破壊
(8)トランジスタワイヤボンディング不良
(9)トランジスタステップカバレージ不良
 (10)トランジスタリーク劣化
 (11)レギュレータICリーク劣化
 (12)ICアルミメタル配線のショート
 (13)抵抗電食
(14)抵抗サージパルス破壊
6.EE-PROM並びにメモリー回路
(1)EE-PROM書き込み寿命
(2)E-PROM、EE-PROM、フラッシュメモリーの変遷
7.サージ・ノイズ吸収素子並びに電源回路
(1)アルミ電解コンデンサ電解液もれ
(2)表面実装アルミ電解コンデンサリフロー熱による短絡
(3)整流ダイオードリーク劣化
(4)バリスタ焼損
8.LED並びに表示回路
(1)LEDワイヤ疲労断線
(2)LEDのリフロー熱によるダイ剥離
9.コネクタ並びに外部接続回路
(1)コネクタ微小摺動摩耗による導通不良
(2)コネクタ端子接続はんだのクラック
(3)外部接続端子の応力腐食割れ
(4)Sn、Zn、はんだめっきのウィスカー
10.カバーケース並びに外殻構造
(1)塗装の溶剤による溶剤割れ
(2)接着剤の硬化剤によるアミン割れ
(3)フェノール樹脂によるアンモニア割れ
(4)金属絞り加工ケースの水素脆性割れ
11.回路ごとの余裕度の評価のしかた
(1)電源回路
(2)出力回路
(3)制御入力回路
(4)信号処理回路
(5)マイコン周辺回路(リセット回路、クロック回路)
(6)表示回路
(7)その他回路
12.半導体業界のグレード別品質保証体制の動き
(1)日本のメーカの動きと欧米メーカの動き
(2)ISO26262自動車機能安全規格
(3)AEC-Q100規格車載用集積回路故障メカニズムに基づいたストレス信頼性試験ガイドライン
13.部品の評価・認定の体制
(1)電子部品と加工部品の評価・認定・育成の違い
(2)ユニットの実力と部品の実力の関係
14.スクリーニング
(1)スタティックバーンインとダイナミックバーンイン
(2)ユニットセットでのバーンイン(ストレススクリーニング)
(3)効果的なバーンインの計画
15.ラインでかかるストレスの測定と制御
(1)プローブピンの接触不良が引き起こすチャタリング・アーク・充電電荷による過電圧破壊
(2)プローブピンの信頼性とその管理
(3)温度・ひずみ・ノイズサージ・静電気・振動衝撃が引き起こすトラブル
(4)現場でかかるストレスの測定とその管理