粉体技術の概要,各種造粒技術の実際,造粒現象,粉体トラブル現象と対策について
モデルによる見える化を交えて解説する特別セミナー!!
- 講師
吉原伊知郎技術士事務所 所長 吉原 伊知郎 先生
(株)奈良機械 技術担当役員を経て現職
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
予備知識
ご自分の会社の、「造粒装置、粉体処理プロセスの仕様」を事前に確認して、「なぜその造粒製品を作るためにその装置が選ばれたか」を、関係者に確認していただきたい。 本セミナーの中で、講師の説明の中で違和感を感じることがあれば、その点を質問し、明確にしていく事で「造粒現象に対する理解が深まり、腑に落ちる理解」が得られます。
習得知識
1)目的物性に対して最適な造粒原理
2)最適な造粒装置を選定する知識
3)粉体/粒体のトラブル対策
講師の言葉
液体・気体と異なり「粉体・粒体は、その表面の特性によって扱いが困難である場合が多い。しかしながら、 新機能性素材(電池・機能性医薬品・化粧品・電子材料など)は、粉体「微粒子;複合化微粒子」の形態を 取らざるを得ない場合が多く、粉体取り扱い技術は人間社会に貢献する工業分野にとって、なくてはならない テクノロジーである。 一方で、微粒子の形態の多様性の為に、その挙動は数値化がなかなか難しく、多くの先輩達の経験と 感性によりプロセスの構築と運転が続けられている。昨今の熟練技術者の引退と共に、「なぜこの装置が、 この造粒操作に 選ばれたのか」、「なぜこの運転パラメーターが最適運転なのか」、「この装置の限界はどこにあるのか」を、 基本に立ち返って理解する機会を持ちたい。 小型透明アクリス装置を自ら運転してみることによって、技術者の必要な「体験による感性の構築」、 「実際の現象に基づいた経験」に、その現象の「解析」を加味して、自分が責任者になったときに使える、 粉体プロセスの適正設計/運転判断基準を体感していただきたい。 今回用意した小型透明粉体処理装置モデルは、いわば「粉体現象の見える化」であり、自分で体験して みなければ分からない粉体挙動「閉塞、ブリッジ、偏析、流動化、液滴と粉体の分散・凝集現象」等が、 本講座の中で体験してゆける。
プログラム
1,はじめに;粉体技術を俯瞰する ①目的の機能を付与する粉体技術 1.化学工学的な処理として「物性の変化する粉体処理」 2.機能性微粒子の扱い例 3.微粒子であるが為の問題点 4.微粒子にする業界別の目的 ②粉砕、乾燥、造粒は、目的の粒子を造り上げる単位操作 1.造粒操作の定義とその周辺技術 2.世界の粉体処理に関わる組織/展示会 3.最近の展示会話題; ドイツ(ニュルンベルグ)、アメリカ(シカゴ) 2,造粒技術の分類と実際(造粒製品の物性に合わせた造粒原理を選定する) ①転動造粒・・・モデルによる実演。聴講者参加型 ②攪拌造粒・・・モデルによる実演。聴講者参加型 ③押出造粒・・・モデルによる実演見学 ④解砕造粒・・・モデルによる実演見学 ⑤圧縮造粒・・・資料による説明 ⑥噴霧造粒・・・資料による説明 ⑦流動層造粒・・モデルによる実演;流動現象と、バインダー添加状況体験。 ⑧溶融造粒、液相反応造粒、複合式、その他の造粒方式 3,造粒現象の理解(正しい造粒機を選定するには、粉体現象を把握していなければならない) ①攪拌造粒を例として、凝集式粉体造粒挙動の現象説明。 ②固体粒子、液体、気体の混相流体として把握する。 ③造粒の製品の物性評価。 ④造粒に伴う現象「乾燥現象」「流動化現象」 4,粉体トラブル現象の理解と対策 ①つまる、くっつく、摩耗する ②洩れる、流れる、飛んでゆく ③蓄熱、発火、粉塵爆発 ④偏析、(透明アクリル小型モデルに粉体/粒体を入れて運転し、偏析現象を体感する) ⑤粉体トラブル対策の対策 5,粉体によるトラブル対策の「エスケープルート方式」提唱 ①事前対策 ②事後対策 ③エスケープルート対策 6、おわりに;信頼される技術者になる。 ・これからの日本の物異造りにおける「微粒子取り扱い技術の重要性」 ・ドイツにおける「世界産業遺産の粉体取り扱い技術」トピックス ・ドイツ、アメリカの「粉体取り扱い展示会の現状」
講師紹介
所属、日本粉体工業技術協会、造粒分科会、名誉幹事 技術士、(機会部門)日本技術士会会員。 著作;「造粒ハンドブック」:日本粉体工業技術協会造粒分科会監修。編著。オーム社 「ものづくり高品位化のための微粒子技術」、大河出版。砥粒加工学会編 「難局打開の“造粒技術”」、サイエンス&テクノロジー社、 「粉体・ナノ粒子の創製と製造・処理技術」松本幹治/小波盛佳監修、テクノシステム社 活動、粉/粒に関わる「処理機会とプロセス」の開発と運転、及びトラブル対策に従事。 粉体処理機器メーカーに長年技術担当として勤務、海外担当、ヨーロッパ支店長、 技術担当役員を経て独立、2015年1月に技術士事務所を立ち上げる。 技術士事務所として、粉体技術者の育成、粉体処理機器、特に乾燥・粉砕・造粒 技術の分野で、機器選定・スケールアップ・適正運転・トラブル対策のコンサルタントを通じ、 同分野技術者の啓蒙に努めている。