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実務に役立てるための

シランカップリング剤の基礎から効果的な活用法まで

シランカップリング剤の反応メカニズムと界面、シランカップリング剤と複合材料、最新のトピックスについて、
企業での経験を踏まえ、わかりやすく解説する特別セミナー!!

講師

大阪工業大学 工学部 応用化学科 教授  中村 吉伸 先生
  日東電工(株)にて、複合材料の開発等に従事の後、現職

日時
会場

連合会館 (東京・お茶の水)

会場案内

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受講料
1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
テキスト

受講概要

予備知識

特になし。ただし,高分子や表面・界面の基本的なキーワードは知っているものとして使う。

習得知識

シランカップリング剤を「使う」から「表面・界面の設計」に

講師の言葉

 講師は,企業に所属していた時代に「超LSIの封止材料」を開発していた。これはエポキシ樹脂とシリカ
の複合材料である。シランカップリング剤は,当時から複合材料の界面の接着の定番で,当然これを使用
していたが,強度や耐湿性で効果が得られた場合や,期待した効果が得られなかった,ばらつきがある,
そして大失敗と多くを経験した。これらはすべて,シランカップリング剤と高分子や無機材料との反応および
シランカップリング剤分子相互の反応と,形成される界面の構造がブラックボックスになっていることに
起因していた。複合材料の特性は「界面」で決まる。成功も失敗も「why」を考えないと次につながらない。
そして大学に移ってから,この「why」を徹底的に追求した。得られた成果から,多くの失敗は今や当然と
思えるようになった。また,当時評価できなかった手法も作ることができた。現在,シランカップリング剤の
応用分野は,電子材料,歯科材料の複合材料から接着剤や表面保護フィルムの前処理等広がり続けている。
本講演は,シランカップリング剤の様々な使用分野での「why」に対する解答になることを目指す。

プログラム

1.シランカップリング剤の反応
  1-1.加水分解反応
  1-2.縮合反応
  1-3.無機表面との反応
  1-4.効果的な表面処理をするためには?

2.シランカップリング剤による表面はどうなっているのか?
  2-1.さまざまなキャラクタリゼーション手法
  2-2.パルスNMRで表面・界面を見る
  2-3.ヘアー構造,ネットワーク構造をつくる

3.シランカップリング剤と複合材料
  3-1.界面はいかに強化されるか?
  3-2.SP値で考える界面
  3-3.前処理法(湿式法,乾式法)
  3-4.インテグラルブレンド法
  3-5.前処理法とインテグラルブレンド法の比較
  3-6.界面は強く接着するだけが能ではない
  3-7. シランカップリング剤が有効な物性と無効な物性

4.最新のトピックス
  4-1.本当は界面でこのように反応している
  4-2.反応率を簡単に知りたい
  4-3.炭酸カルシウムを補強性フィラーに
  4-4.超撥水表面をつくるには?

 

講師紹介

1980年 神戸大学大学院工学研究科修士課程修了.
1983年 神戸大学大学院自然科学研究科博士課程修了.学術博士.
1980年より1997年まで 日東電工株式会社勤務.
1997年 大阪工業大学助教授.
2002年より現職.
専門分野:高分子化学,高分子物性,高分子系複合材料
所属学会:高分子学会,日本接着学会,日本ゴム協会他
学会の役職:日本接着学会理事,学会誌編集委員長等を務めた
受賞
2006年 日本接着学会 学会賞
2005年 科学技術分野の文部科学大臣表彰 他