
海外生産の品質問題防止のための
海外事業展開における中国・韓国・東南アジアでの
生産現場の指導法、コツと品質トラブル予防のための技術
現地生産,現地調達,現地設計のマネジメントの押さえどころ,現地の人の気質に合わせた指導法と動機づけ,
品質トラブル予防技術について事例を交えて解説する特別セミナー!!
- 講師
技術コンサルタント 伊藤 千秋 先生
オムロン株式会社 品質保証部長,部品技術部長等歴任後現職
制御機構部品の品質保証を15年,自動車電装部品の品質保証23年経験,品質・信頼性一筋のプロフェッショナル
この間,日本科学技術連盟 信頼性開発技術研究会 委員長などを歴任
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
予備知識
特になし
習得知識
1)現地の人々の考え方と行動の根底にある仕組み、心理の理解ができる
2)グローバル企業、グローバル人としての考え方、行動を理解できる
3)人格・技術・行動力・熱情が現地の人に受け入れられる要素であることが理解できる
4)時と場所に応じた現地での技術の指導法、育成法が理解できる
講師の言葉
円高の時代が終わり、円安の時代ではあるが、昨今は為替レートが乱高下する中、こうした為替レートに 一喜一憂することなく安定的にグローバルな企業経営ができる体質目指して事業展開を継続、さらには 拡大するという日本の企業は実に60%にあたる。 そしてその方向は「チャイナプラスワン」。中国を一つ、そしてこの軸足をすくわれないようにタイ、 ベトナム、インドネシア、ミャンマーなど東南アジアの国々をもう一つの軸足とする製品ないしは半製品、 部品の生産体制である。 このところの中国の経済の高度成長も陰りが見え始めてはいるが、ものつくりのインフラができあがり、 工業国として成長を果たしてきている国はアジアではほかに見当たらない。 世界の工場といわれ、13億5000万人の世界の市場ともいわれている中国を除いてのグローバル生産、 事業展開は考えられないのである。事業リスクもあるが、中国を軸とした海外事業の展開が今後も進む。 こうした事業展開の中で、過去に日本の造船、本導体、家電の業界で日本企業が味わったビジネスへの 壊滅的な打撃、現地での工場設立や部品の取引で痛い目にあった経験の反省を抜きにして海外事業展開を 進めてはいけない。 これらの背景には世界の市場のニーズの変化と対応に遅れたこと、現地の社会制度、仕組みやインフラを 理解しないまま現地に進出したこと、現地の人々の気質や文化風土を理解しないまま日本のやりかたを 押し付けて失敗をしたことなどその要因はいろいろあるがこうしたことをくりかえしていってはいけない。 海外に進出するということはその国を理解し、その国の人々のやっていることを認め、理解することから 発想しないと現地に溶け込んでいけない。 出稼ぎ根性では間違いなし現地国で成功しない。お互いを知り、 お互いがハッピーになる方向を探っていかねばならないのである。 そういう意味では現地の人々から日本人が、日本がどのように見られているのか、これもまた知って おかねばいけないことなのである。 現場では現地の人々との意思伝達を図っていかないと技術的なあるいは品質的な指導はなく、その国の社会・ 仕組み・人・気質とその行動・言動の背景は理解しておかないと成功はおぼつかない。お互い固定観念だけで 国を、人を見て理解のしあいのないまま失敗への道を転がおちていくことはお互いに不幸なことである。 本講座は正しく現地の国と人を見て互恵の念をもって事業のパートナーとしてどう行動したらいいかを 探っていく講座である。
プログラム
1.グローバルなものの見方とは (1)海外の国から日本はどうみられているか (2)グローバルに生きるとは (3)考えておかねばならない海外事業化のリスク (5) グローバル企業戦略になくてはならないもの (5)新興国、発展途上国の社会インフラ、日常インフラの現実は (6)世界に貢献できる日本の誇れる技術・システムは 2.ビジネスモデルの変化と動向 (1)ビジネスモデルの変遷 (2)企業の寿命とは (3)家電・半導体・造船業界にみる海外の企業が日本企業に与えた打撃とその背景 3.現地調達から現地生産そして現地設計へ (1)現地生産のマネジメントの押さえどころ ・事業展開のパターン選択 ・「ノックダウン型」「地産地消型」「最適地供給最適値生産型」のアプローチ ・トップダウン組織、縦割り組織、責任追求組織 ・教える「あわてず」「あせらず」「あきらめず」 (2)現地調達のマネジメントの押さえどころ ・中国メーカの3つの型 ・中国部品のレベルと対応のしかた ・韓国メーカのビジネスの型 ・韓国部品のレベルと対応のしかた ・活性化したよい会社の見極め方15 ・調達先の企業力とライン力の評価 ・現地調達のセオリー10 ・受け入れ管理のしかた (2)現地設計のマネジメントの押さえどころ ・設計スタッフと現場との壁 ・設計者を現場に引き出すイベントマネジメント ・設計検証でなすべきこととその実証 ・機能縦割り組織の中でのデザインレビューの体制・やりかた ・技術漏えいに対するプロテクト 4.中国・韓国の人々の気質とそれに合わせた育成・指導法 (1)現地の人からみた「いい日本人」像とは ・グローバル社会「現地の人に変われという前に自分がまず変わる」 ・あなたはずっと観察されている「この人は信用していい人かどうか」 (2)中国・日本・韓国の人の気質の比較 (3)中国・台湾・香港の体質・気質の特徴10 ・中国・台湾・香港での指導法と動機づけのコツ10 (4)韓国の体質・気質の特徴10 ・韓国での指導法と動機づけのコツ10 (5) 東南アジアの国々の人の気質 ・社会インフラ・部材インフラ・人的インフラ 5.東南アジアの国々での指導法、動機づけ品質トラブル予防のための技術 (1)部品技術(分析測定技術・監査技術・育成指導技術) (2)始業点検・センシング(常態監視)・終業点検 (2)Cpk (3)ビデオカメラによる自動機の挙動観察 (4)ポカヨケ (5)インサーキットテスト・ファンクションテスト (6)バーンイン (6) 異常管理 6.常識・異常識・非常識」 あなたの技術の広さ、深さ、そして常識度をチェックする。「常識のような非常識」「非 常識のような常識」そして海外に出ると「異常識」がある。誤解の多い事例について どう理解してどう指導するかを議論する。 (1)実績がある工法・部品なので評価は省いてよい (2)ゆるみが出やすい部位のねじ締めは強く締め付ければ緩まない (3)ねじ締めでねじの頭が飛ぶのは強く締め付けし過ぎるからである (4)はんだにフィレットができつやがあればいいはんだ付けである (5)ロボットはんだは手付けはんだより作業は安定する (6)手付けはんだはコテの温度をきっちり管理していればよい (7)フローはんだは時間をかけてゆっくりはんだ付けしてゆっくり冷やした方がよい (8)リフローはんだは熱風が噴き出し口から吸気口まで一方向に強く流れるのがよい (9)密閉構造にすればするほど内部に水がたまっていく (10) めっき部品は電流密度を高く時間を短くしたほうがいいめっきができる (11)めっき部品はめっき後に純水で槽の数を多くして洗えばきれいに洗浄できる (12)ラインで出た半導体の不良1個くらいだったら問題ない (13)半導体は機械構造部品と違って摩耗や疲労がないので寿命はない (14)パワーデバイスの耐圧分布は規格に余裕があるほどよい (15)マイコン回路はソフトがきっちりできていれば暴走することはない (16)入力回路、出力回路にはサージ吸収素子が入っていれば安全である (17)プローブピンの接触不良は半導体の半破壊を引き起こす (18)部品図の寸法・公差を検査規格値にして部品の受け入れ検査をする (19)試験法の拠りどころは公的規格に基づいてないといけない (20)熱衝撃試験は高温と低温の差を大きくとって試験すると早くできて加速になる など 7.海外での企業・ラインの改善 (1)戦略的アプローチによる企業の改善事例 (2)監査的アプローチによるラインの改善例