化粧品・医薬品・化学品開発のための
エマルション・可溶化製剤の処方設計と使用感評価
～閉講後テーマに関連した現場で抱えている課題についてアドバイス実施～
エマルション・可溶化特性と界面活性剤の選び方，エマルション安定化の現場のテクニック，微細エマルション液の調整，
マイルドクレンジング，多相エマルション，ピッカリングエマルション，使用感評価技術について解説する特別セミナー！！
- 講師
山形大学大学院 理工学研究科バイオ化学工学分野 准教授 工学博士 野々村 美宗 先生
花王（株）主任研究員を経て現職
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名：48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名：43,200円
- テキスト
受講概要
予備知識
特になし
習得知識
１）エマルションの保存安定化の方法
２）微細エマルション滴の調整方法
３）マイルドクレンジングの仕組み
４）多相エマルションの応用
５）安定なピッカリングの作り方
６）使用感の評価技術
講師の言葉
魅力的な化粧品・医薬品・化学品を開発するためには、きめの細かいエマルションを作り、十分な 量の油剤を分散・可溶化することに加え、これを使用した時の感覚を表現することが求められます。 本講座では、エマルション・可溶化物を調製する上で最も大切な界面活性剤の選び方や添加剤の 効果について、ヒット商品の実例を挙げて講義します。 まず、エマルション・可溶化物の特性と界面活性剤の選び方の一般則について概説した上で、 商品開発の現場で行われているエマルションの安定化のテクニックを紹介します。 特に、クリーミングや合一を防止するための処方例や転相乳化法・液晶乳化法などのより微細な エマルション滴を調製するために開発されたテクニックについて学びます。 ウオータープルーフタイプのメイクもがんがん落とせるマイルドクレンジングの仕組みや クリーミーな泡の立つ処方の作り方についても解説します。さらに、界面活性剤を用いない ピッカリングエマルションやより複雑な構造を付与できる多相エマルションについても紹介します。 次に、化粧料や皮膚外用剤の使用感を理解するうえで不可欠なヒト触覚の力学と神経科学について 紹介した上で、講演者がこれまで取り組んできた事例を紹介します。触覚による水や増粘剤水溶液の 物質認知のメカニズムから、皮膚や毛髪、エマルション・パウダー製剤の触感まで、化粧品・医薬品に 加え、自動車・情報機器用材料・スポンジ・樹脂材料の開発に役立つ事例を具体的にお話します。 最新の摩擦評価装置を利用した使用感評価技術も紹介します。
プログラム
1. 乳化と可溶化 1)エマルションと可溶化物の状態と種類 2. 界面活性剤とは 1)界面活性剤の定義と種類 2)界面活性剤の機能と応用例 3. どうやってエマルションの保存安定性を高めているの? 1)クリーミングと合一の防ぎ方 2)αゲル乳化法 3)粘土鉱物乳化法 4)保存安定性の評価法 4. どうやって微細なエマルション滴を調製しているの? 1)転相乳化法 2)転相温度乳化法 (PIT乳化法) 3)D相乳化法 4)液晶乳化法 5. がんがん落とせるマイルドクレンジングの仕組み 1)たくさん油を可溶化する活性剤の選び方 2)油剤・高分子・添加剤を使った性能アップ 6. 多相エマルションはどんなふうに応用すればよいの? 1)カロリーオフタイプマヨネーズへの展開例 2)皮膚外用剤への展開例 3)安定性確保の秘訣 7. 固体粒子を利用したピッカリングエマルション・ドライウォーター 1)固体粒子によるエマルション安定化のメカニズム 2)安定なピッカリングエマルションの作り方 3)化粧品・食品・医薬品への応用例 ８．化粧品・医薬品の使用感評価 1)ヒトの触覚認識メカニズム 2)使用感官能評価のテクニック～感覚語彙の選び方～ 3)使用感の機器分析の考え方 4)触覚による水認知のメカニズム 5)さらさら・べたべた・しっとりの物理的起源 6)毛髪表面へのクリーム塗布プロセスの摩擦評価