
ERES/CSVに実務的に対応するための
PIC/SとFDAの査察指摘から学ぶデータインテグリティ対応とCSV
~MHRAガイダンスとPIC/Sガイダンスをふまえ~
ERES(電子記録,電子署名)/CSVの基礎からPIC/SとFDAの指摘,MHRAガイダンス,
PIC/Sに適合したERES対応とCSV方法を多くの事例を交えて体系的に解説する特別セミナー!!
- 講師
合同会社 エクスプロ・アソシエイツ 代表 望月 清 先生
(アズビル株式会社 勤務を経て 現職)
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
予備知識
特になし
習得知識
1.ERES/CSVの基礎
2.生データの電子化対応
3.FDAのコンピュータ指摘とデータインテグリティ指摘
4.PIC/S加盟のインパクト
5.PIC/Sのコンピュータ指摘とデータインテグリティ指摘
6.PIC/Sのコンピュータ要件
7.MHRAのデータインテグリティ要件
8.データインテグリティ対応
9.適正管理ガイドラインの解釈と実務対応
10.適正管理ガイドライン査察への対応
講師の言葉
PIC/SおよびFDAの査察において、ラボにおけるデータインテグリティ不適合(データ完全性不適合)との指摘が 近年目立ち始めている(2013~2014年 PIC/S:6件 FDA:18件)。MHRA(英国医薬品庁)は2015年1月に 「データインテグリティの定義とガイダンス」を発出し、3月に改訂を行った。 このガイダンスでは、監査証跡のレビューを含んだデータレビューを求めている。電子生データに対する 監査証跡のレビューはもともとPIC/S GMPにおいて求められていたが、MHRAガイダンスにおいて「監査証跡による データレビュー」という具体的な要件となった。また、監査証跡がない、あるいは共通ログインしかできないような システムを2017年末までに更新するようMHRAガイダンスは求めている。2015年5月にはPIC/S加盟国である アイルランド当局(HPRA)が50例を超えるデータインテグリティ不適合をデータインテグリティセミナーにおいて紹介した。 PIC/S加盟にともない、我が国のGMPにおいてバリデーション基準が全面改正され、DQの要件化や 電子記録変更時の理由記録などが求められるようになった。一方、PIC/S はソフトウェアカテゴリ3に対して DQを求めており、適正管理ガイドラインベースのCSV方法を強化する必要がある。 さらにPIC/Sは、生データとする電子記録や監査証跡対象の電子記録を規定し、監査証跡を規則的に レビューするよう求めている。そのためERES指針ベースのERES対応も強化する必要がある。 本講座では、PIC/SとFDAのコンピュータおよびデータインテグリティに関する指摘、さらにMHRAのデータ インテグリティ・ガイダンスを紹介し、PIC/Sのコンピュータ要件に適合したERES対応とCSV方法を体系的に 説明する。 ERES/CSVに馴染みのなかった方にも理解していただけるよう、ERES/CSVの基礎から説明する。 次に、PIC/SおよびFDAのコンピュータ指摘事例とデータインテグリティ指摘事例を説明し、必要とされる ERES/CSV対応レベルの感覚を身につけていただく。また、400スライドを超えるテキストと付録CDに収載する 豊富な資料により、日欧米3極のコンピュータ要件について後日の復習やさらなる自習が可能である。 ERES: Electronic Records, Electronic Signatures (電子記録、電子署名) CSV: Computerized System Validation (コンピュータ化システムバリデーション) ERES/CSVの基礎を説明するなかで、実例や演習をまじえ以下のような点を具体的に説明する。 ・・E電子記録の真正性確保 ・・E紙生データ機器からの電子記録取り出しとデータ加工 ・・EHPLCの紙生データに対するFDA指摘 ・・E監査証跡・定期レビューのPIC/S要件とFDA指摘 ・・E既存機器/システムのバリデーション ・・EHPLCのカテゴリ分類(HPLCメーカによりカテゴリ分類が異なる) ・・Eカテゴリ3/4の分類基準とグレーゾーンのバリデーション方法 ・・EDQおよびシステムアセスメントの位置づけ
プログラム
1.電子記録・電子署名の基礎 窶「ERES指針、Part 11、Annex 11の位置づけ 窶「真正性、見読性、保存性、監査証跡 窶「オープンシステム、デジタル署名 2.生データの電子化対応 窶「紙生データHPLCに対するFDAコンピュータ指摘 窶「生データと監査証跡対象の規定 窶「バックアップとアーカイブ 3.CSVの基礎 窶「バリデーションのVモデル 窶「DQとリスクアセスメント 窶「トレーサビリティマトリクス 4.GAMP 5のポイント 窶「カテゴリ混在時のバリデーション 窶「基盤ソフトウエアのバリデーション 5.コンピュータ化システム適正管理ガイドライン 窶「コンピュータ査察の基本方針 窶「既設システムのバリデーション 窶「機器/装置のバリデーション 6.FDA Part 11 規則とガイダンス 窶「FDAのコンピュータ指摘方法 7.FDAのコンピュータ指摘107件の紹介 例: 窶「スプレッドシート(エクセル)をバリデートしていない 窶「サンプル数をエクセルで管理しているがその真正性を証明できない 窶「クロマトグラム生データを削除できてしまう 窶「監査証跡をチェックした記録がない 窶「HPLCの電子生データが残されていない 窶「共有ID/パスワードによる運用となっている 8.PIC/SとFDAのデータインテグリティ不適合指摘 例: 窶「IDとパスワードを共用している 窶「良い結果が出るまで試し分析を繰り返している 窶「試し分析結果のクロマト生データを削除している 窶「試し分析を機器使用台帳に記録していない 窶「メソッドをだれでも変更できてしまう 窶「電子記録の変更を監査証跡により監視していない 9.PIC/Sのコンピュータ要件 例: 窶「監査証跡の規則的レビュー(Annex 11) 窶「生データとする電子記録を規定(PIC/S GMP) 窶「監査証跡対象の記録を規定(査察官向けガイダンス) 窶「カテゴリ3に対するDQ(Annex 11) 窶「待避データの見読性維持(Annex 11) 窶「エクセル・スプレッドシートの管理(EMA Q&A) 10.MHRAのデータインテグリティ・ガイダンス 例: 窶「データインテグリティを保証するシステム設計 窶「監査証跡のレビュー 窶「データレビュー 窶「共通ログイン 窶「システム管理者 窶「フラットファイル 窶「監査証跡のバリデーション 窶「データインテグリティの自己点検 ■質疑応答■ 本セミナーの内容に関し、日常の業務において困っていることや疑問などにお答えする。 事前質問大歓迎です。
名刺交換可
■付録CDに収載する解説文書と資料 (全115ファイル) 1.適正管理ガイドライン コメント挿入版(44ページ) 2.カテゴリ分類とバリデーションアプローチ(24ページ) 3.スプレッドシートの管理とバリデーション(14ページ) 4.FDAのコンピュータ指摘107件(66スライド) 5.FDAのデータインテグリティ指摘ウォーニングレター(18件) 6.PIC/SのGMP不適合報告(コンピュータ指摘16件) 7.MHRAデータインテグリティ・ガイダンス(v1.1)邦訳(28ページ) 8.FDA Part 11対訳(17ページ) 9.FDAガイダンス Part 11 Scope and Application 対訳(24ページ) 10.Annex 11 対訳(8ページ) 11.Annex 11 に対するEMAのQ&A 対訳(8ページ) 12.PIC/S査察官向けガイダンス PI 011-3 抜粋対訳(31ページ) 13.厚労省令第44号の解説・GMP編(20ページ) 14.バリデーション文書例(ワードファイル) 窶「バリデーション計画書(15ページ) 窶「ユーザー要求仕様書(10ページ) 窶「トレーサビリティマトリクス(9ページ) 窶「バリデーション報告書(10ページ) その他、改正バリデーション基準、GMP事例集(2013年版)など関連法令を多数収載
講師紹介
■略歴 1973年4月 山武ハネウエル株式会社(現アズビル株式会社)入社 2014年4月 アズビル株式会社 退職 2014年5月 エクスプロ・アソシエイツ 代表 2014年11月 株式会社 シーエムプラス 提携コンサルタント 2015年4月 合同会社 エクスプロ・アソシエイツ 代表 ■本テーマ関連学協会での活動 日本QA研究会 GLP-QAプロフェッショナル(GLP-QAP) 米国PDA認定コンピュータシステムオーディター 日本PDA製薬学会 無菌製品GMP委員会 微生物迅速測定WGメンバー 日本ISPE無菌COP リスクベース環境モニタリングWGリーダー ・Part 11/ERES/CSVに関する講演多数 http://www.it-asso.com/gxp/seminar.html