
CAEを利用して強度的に壊れない機械部品を設計するための
強度検討に必要なCAEの仕組みの理解と強度評価方法の基礎
~CAEツールのアウトプットを正しく理解して強度設計に役立てるCAEの基礎~
CAEの出力の理解に必要な簡単な材料力学,変位や応力の出力項目の違い,CAE内部で行われている各種処理,
応力集中が強度低下に及ぼす影響と強度評価の基本について解説する特別セミナー!!
- 講師
TMEC技術士事務所 所長 技術士CPD認定会員(機械部門) 遠田 治正 先生
三菱電機(株)にて研究・開発・設計・技術教育に従事の後,現職
著書:「強度検討のミスをなくすCAEのための材料力学」(日刊工業新聞社)
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
予備知識
CAEに関心のある方なら特になし
習得知識
1)CAEの入力・出力の仕方
2)出力データを理解するのに必要な材料力学の知識
3)CAE内部で行われている処理
4)応力集中が強度低下に及ぼす影響と強度評価の基本
講師の言葉
CAEは、21世紀に入って3次元CADの普及にあわせて利用操作も簡略化され、以前はCAEを専門的に勉強した 専任者しか扱えなかったのが、一般の機械設計者にも利用できるようになってきました。 しかし、CAEが身近で気軽に使えるようになると、その弊害なども現れるようになってきました。最も原始的な レベルでは、解析の目的や入出力データの意味をよく理解せずにCAE解析を行ってしまい、CAEを利用した成果を 出せていないことです。 最近の傾向としては、リブの付け根や部品の接合部などに発生する特異点(=応力や変位が無限大になる点)について、 その処理や強度評価の方法についての相談を受けることが多くなってきています。 このセミナーでは、CAEを利用して強度的に壊れない機械装置を設計したいと考えている設計者を対象に、 ・CAEの入出力の仕方 ・出力の理解に必要な簡単な材料力学 ・変位や応力の出力項目の種類と違い ・CAEの内部で行われているいろいろな処理 ・応力集中が強度低下に及ぼす影響と強度評価の基本 など、最低限度知っておかなければならない基本的な事項について解説します。また、休憩や終了後の時間を 利用して、受講者が遭遇した実務上の問題についての解決策についてもご相談に乗りますので、ご利用ください。
プログラム
1.入力・出力データの種類 1.1 入力するデータの種類は、どんなCAEツールでも同じ! (1) 構造形状、部品材料、荷重、拘束、部品間結合状態 (2) アセンブリでの問題点は、部品同士の接合の条件設定 1.2 出力するデータの意味を理解しよう! (1) 変位~全体変形?変位成分(x方向変位など)ごとの変形? (2) 応力~応力成分ごとに注目?主応力?相当応力? (3) 節点平均応力,要素節点応力の区別を理解しているか? 2.出力が理解できるための簡単な材料力学 2.1 材料力学の基本となっている式 (1)応力と力の関係、応力とひずみの関係、ひずみと変位の関係 (2)線形であることの条件 2.2 CAEで解いている方程式(剛性方程式) 2.3 CAEの内部で行われているいろいろな処理 3.CAEの利用にあたって知っておきたい知識 3.1 要素とは (1)要素の役割、 (2)変位分布を表す関数(変位関数)、 (3)要素のいろいろ(ソリッド、シェル、ビーム、剛体)、 (4)1次要素と2次要素 3.2 分布荷重の扱い方 (1)分布荷重は節点集中力に換算、 (2)分布力の換算式の例、 (3)2次要素が接触問題に向かない理由 3.3 数値積分について (1)数値積分とは (2)積分点の意味 (3)低減積分とは 3.4 連立方程式の解法 (1)線形静解析の解法(修正コレスキー法) (2)非線形解析の解法(ニュートン・ラプソン法) (3)固有値解析の解法(ランチョス法) (4)静解析は、全然拘束のない構造は扱えない(剛体変位・回転の拘束) (5)固有振動解析でのモード(=変形図)の値は、注目してはいけない 4.強度に大きな影響を及ぼす応力集中の現象 4.1 応力集中の発生原因とその種類 4.2 応力集中係数α 4.3 応力集中が強度低下に及ぼす度合β(=切欠係数)とαの関係 4.4 特異点の強度評価での注意 5.出力が理解できるための簡単なCAE内部の演算 5.1 出力のなかで最も精度の高い”変位“ (1)CAEが出してくる変形は誇張されている! (2)メッシュの細かさが変形精度に及ぼす影響 (3)メッシュの細分化と特異点に関する注意 (4)見る変位成分を意識せよ (5)固有振動解析でのモード図の見方と注意 5.2 最も注目されるのが“応力” (1)応力には、いろいろな種類がある! 応力成分、主応力、相当応力 (2)応力の各種類には、2つの値がある! 節点平均応力と要素応力 (4)メッシュの細かさが応力値に及ぼす影響 (5)メッシュの細分化と特異点での配慮 (6)固有振動解析での応力図は表示できない 5.3 微小変形の限界を超えたおかしな現象 6.実例に基づいた強度評価方法の仕方 ~αが高い位置での適切な強度評価方法を身につけよう! 6.1 高応力集中部の強度評価方法とメッシュ 6.2 リブの根元の強度評価方法とメッシュ 6.3 アセンブリ(複数部品の組立構造)での部品間接合部の処理 6.4 溶接継手の強度評価方法~のど厚部と不溶着部先端 6.5 CAEでの強度評価に見あった応力解析方法のまとめ