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高分子絶縁体の信頼性を高めるための

高分子絶縁体基礎高分子絶縁劣化メカニズムその対策

【WEB受講(Zoomセミナー)ライブ配信/アーカイブ配信(7日間、何度でも視聴可)

オープンセミナー WEB受講

エレクトロニクス化学機械

絶縁破壊や劣化のメカニズムを基礎から体系的に理解し、誤解されがちなtanδやアレニウスプロットの“落とし穴”を解説します。さらに、THz領域の誘電特性やナノコンポジット化による高機能化など、最新の研究知見と防止策を実務視点で習得できる特別セミナー!!

講師

早稲田大学 名誉教授 大木 義路 先生

講師紹介

日時
2026/1/15(木) 10:00〜16:00
会場
※本セミナーはWEB受講のみとなります。
受講料

(消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円

※別途テキストの送付先1件につき、配送料1,210円(内税)を頂戴します。

テキスト
製本資料(受講料に含む)

受講概要

受講形式

WEB受講のみ

※本セミナーは、Zoomシステム利用によるオンライン配信となります。

受講対象

高分子絶縁材料に関連したお仕事の全ての方を対象として想定しています。

予備知識

高校の物理・化学

高校の物理・化学を履修済なら分かるように話しますが、大学の教養課程(あるいは共通科目)としての物理基礎・化学基礎などを履修済なら、なお結構と存じます。

習得知識

1)絶縁破壊や劣化のメカニズム

2)絶縁特性の革新的な特性解析・計測手法

3)絶縁破壊や劣化の対策(防止方法)

4)きわめて多くの高分子絶縁材料の誘電特性の実例(MHz-THz)

5)汎用高分子・エンジニアリングプラスチック・スーパーエンプラ・生分解性高分子の電気的物性

6)ナノコンポジット化による機能性向上

7)多くの「目から鱗」的な必須知識

講師の言葉

 電気を使用する全ての機器やデバイスにとって,必須の絶縁を担っているのは,多くの場合,高分子である。機器の小型化や高機能化に伴い,高分子絶縁体はますます苛酷な環境に置かれるようになって来ており,絶縁破壊や絶縁劣化の懸念が避けられない。本セミナーでは,高分子絶縁体(誘電体)の性質について基礎的な考え方を講義した後,高分子の絶縁性(絶縁破壊と絶縁劣化),中でも絶縁破壊や劣化のメカニズムや絶縁特性の計測や対策(防止方法)に焦点を当てて分かり易く講義していきます。

 最後に,時間が許す限り,汎用高分子とエンジニアリングプラスチック・スーパーエンプラ,さらに,最近の話題となっている高分子である生分解性高分子の電気的物性を詳しく紹介していきます。世界的に大きな話題となっているナノコンポジット化による更なる機能性向上を目指す研究の現状についてもできるだけ詳しくお話しします。

 また,報告例の少ない高周波領域での複素誘電率の周波数依存性の実測例も詳しく紹介していきます。

 ①高分子絶縁体は2種類あり両者の挙動は全く異なる。

 ②Vの印加でも大量の空間電荷が蓄積する。

 ③誘電緩和の原因は双極子ではない。

 ④tanδは絶縁特性指標として危険。

 ⑤危険なアレニウスプロット。といった「目から鱗」的な誘電・絶縁挙動や,THz収分光,電気的モジュラス,電流積分法など,革新的な特性解析・計測手法についてもお話します。

プログラム

1.誘電体とは?

1.1 誘電体の重要性(誘電体の性質と用途)   ~電気の時代にも,光の時代にも重要~

1.2 誘電体(絶縁体)のエネルギー構造  ~導体,半導体,絶縁体のちがい~

1.3 誘電分極 ~サブナノ秒から日以上まで~

 

 

 

2.高分子の導電性

2.1 電気絶縁材料としての高分子  ~「高分子ならでは」の長所と欠点~

2.2 電気伝導の基礎理論  ~イオン,電子,正孔はどのように運ばれるか~

2.3 電極よりの電荷注入  ~熱,光,電界はどのように作用するか~

2.4 誘電体内での電荷の発生  ~電子,正孔はどのように発生するか~

2.5 空間電荷  ~厄介な空間電荷 ~

2.6 高分子の導電性  ~「高分子ならでは」の電気伝導~

 

 

 

3.絶縁破壊・劣化とその理論 

   ~絶縁破壊は何故起こってしまうのか~

3-1 絶縁破壊メカニズムの種類と破壊過程の違い

   ~電子的破壊から純熱的破壊まで~

3-2 絶縁劣化の種類とそのメカニズム

   ~部分放電劣化からトラッキングまで~

 

 

 

4.用途に応じた絶縁破壊や劣化の対策~こうすれば絶縁破壊は防げる~

4.1 電界集中の防止~電界を下げる工夫~

4.2 電極配置/機器構造の最適化~破壊を防ぐ知恵~

4.3 材料・材質の選択~材料選択の考え方~

 

 

 

5.導電性・絶縁性の測定と劣化診断の技術

5.1 導電率~導電率を正しく測るためには~

5.2 絶縁破壊電界~簡単には測れない真の値~

   部分放電,沿面放電の防止

5.3 空間電荷~最近可能となった空間電荷測定~

5.4 ケーブルの劣化診断の一手法~高感度なFDR法~

 

 

 

6.特殊環境下で使用される高分子絶縁材料

6.1 耐熱性~耐熱性に対する1つの視点~

6.2 耐放射線性~意外な材料が放射線に弱い~

 

 

 

7.高分子の複素誘電率の周波数・温度依存性の実測例

7.1 汎用高分子とエンジニアリングプラスチック・スーパーエンプラ

7.2 各種高分子の高周波領域での複素誘電率

7.3 各種高分子のTHz領域での複素誘電率

7.4 生分解性高分子の高周波領域での複素誘電率特性

7.5 生分解性高分子の他の特性

 

 

 

8.高分子絶縁材料の高機能化の実例

8.1 高分子ナノコンポジット(有機・無機ナノコンポジット)

8.2 我が国における実用化例

8.3 高機能化を可能としたメカニズム

 

 

【質疑・応答】

 

略歴

文部科学大臣表彰科学技術賞 矢崎学術賞 

米国電気電子学会フェロー,Forster記念賞,Whitehead記念賞,Ieda記念賞,Dakin記念賞 

電気学会 名誉員,フェロー,元副会長,電気規格調査会前会長,業績賞(2回),進歩賞,著作賞,論文賞(2回)

放電学会 元会長

マテリアルライフ学会 総説賞,論文賞

早稲田大学大隈記念学術褒賞